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第9話 太陽の都―2

「あいつ……いつの間にか腕をあげたな」


 仕方ないのでナギの帰還を待つ間、ランドはしみじみと呟いた。

 逆さまになっていなければ、良い師弟関係に見えなくもなかったのかもしれない。


「腕っていうか、罠を仕掛けていただけじゃないんですか」


「いや、罠があることは分かっていたんだ……。これでも俺ぁ、山賊の端くれだからな。だが、あまりにもアイツが圧倒してくるんで、まんまとここまで押し込まれちまったんだよ。……アイツ、あんなに腕力あったかな?」


 訝しげに呟くランド。

 確かに最近腕立て伏せとかも頑張っていたみたいだけど、体格や腕回りの太さを見れば、到底力じゃ敵いそうに見えないけれど……。


「そうだランドさん、その……ぼくも、みんなの力になりたくて」


 手持ち無沙汰の時間があったため、ぼくは前々から考えていたことをランドに話した。

 それは、どうにかして人間の体に戻る方法はないかということ。


 天狗の襲撃や、魔法を使い方を覚えてきたこともあり、ぼくもみんなと同じように戦う力が欲しかったのだ。


「するってぇとなんだ? お前さんは、魔法生物でも空飛ぶブタでもなかったってわけか?」


 そもそもそこから話していなかったので、ランドは目を丸くして驚いた。

 ナギから言うなと言われていたので、異世界から来たということは伏せたままだったけど――


「まあ、そういう黒魔術はあるって聞いたことはあるからな。たぶん、体になるパーツと魔術士がいれば、不可能じゃないと思うぜ?」


「えっ? ほ、ほんとですか!?」


 想像以上にあっさりと言われたので、逆にぼくの方が驚いてしまった。


「まあ、人形に人間の魂を入れるとか、ゾンビやスケルトンを作るとか……たぶん、そっち系の怪しい術になるとは思うけどよ」


「そ、それでもいいです! ぼくもみんなの力になりたいし、やっぱりこういう時とか、この姿は不便だなって思うし」


「体のになるパーツだったら、俺の知り合いに腕の立つドワーフの技師がいるんだ。そいつに頼めば、体を作ることは不可能じゃないかもしれない。ただ、魂を移植する術者がいるかは分からんぞ?」


 今はそれだけで十分だった。

 ぼくは一も二も無くランドにお願いし、ランドはルクスパレスに到着する直前で一度別れ、先にドワーフの技師に会いに行ってくれると約束してくれた。


「しかし、俺がついていなくて大丈夫か? そんなに離れてないからすぐに合流出来るとは思うが、一応はルクスパレスの隠密部隊に追われているはずだろ?」


「た、確かに。ナギに相談はしておきます……」


 その心配はあったが、ひとまず、ぼくはぼくの目標に向かって一歩進むことが出来た。

 あとはデンスが起きたら、そういう術が使える人がいないか聞いてみよう。


「あのー、そろそろ、誰か下ろしてくれないもんかね……」

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