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第7話 天才美少女ガンナー現る!!―3

「…………あ、へ、へぇ?」


「“シルフ”の弾丸。おじさん、早いとこ手を離した方がいいよ」


 少女の右手には、いつの間に抜かれていたのか、一丁の黒光りする拳銃が握られている。


「出ないと、粗末なモンを酒場中のみんなにお披露目することになるからねっ?」


 ズルリ、とだらしなく落ちていく大男のズボン。

 少女の放った弾丸が、大男のベルトを後ろから切り裂いていたのである。


「ひゃ、ひゃあいっ!?」


 大男は甲高い悲鳴を上げつつ、ズボンをたくしあげ、慌ててその場から走り去っていった。

 後に残った少女に送られるのは、万感の拍手と歓声。


 一瞬にして今夜のヒーローとなった少女には、ぼくらの食事代なんて簡単にまかなえるような、たくさんのチップが渡されていた。


「そうそう。申し遅れたけど、私の名前はパメラ・ボーグウィン」


 振り返った少女は、まだ煙の立ち上る銃口で、自身の帽子のつばを押し上げる。


「絶賛売出し中の、今をときめく天才美少女ガンナーなんで。そこんとこ、よろしくぅ!」


 その姿を目の当たりにして……ぼくは今まで抱いていたパメラへの不思議、いや違和感の正体を、はっきりと確信していた。


 見た目の割りに言動がおっさん臭いんだ、この子は。


「んじゃ、オレらはこの辺で」


「って、ちょっとぉ!!」


 パメラの名乗り口上をしっかり聞いた後に、ナギはパタパタと手を振ってその場を後にしようとした。


「アンタ正気? ここまで人の金で飯食っておいて、さらに私に名乗らせておいて、その上でスルーしようとするなんて」


「ん、まあな……面倒ごとは嫌いなんだ」


「面倒!? 天才美少女ガンナーのこの私を前にして面倒て!?」


 確かに本性を現したパメラは、なかなかに面倒くさそうな性格そうだが。


「第一、他人にタダで飯を奢るわけないでしょ。さっきも言ったじゃん、人助けはチヤホヤされるのが目的じゃないって」


 パメラはキッとナギを睨みつけながら言った。


「アンタたちがたいらげたメシの額は、きっちり働いて返してもらうからね!」


「……嫌だと言ったら?」


「あら? さっきの男の成れの果て、見なかった? そんな簡単に、私に勝てると思ってもらっちゃ困るけど」


 そう言って、パメラは拳銃をくるくると右手で回転させ、銃口をナギに向けるようにキャッチした。

 幼い顔立ちなのに、大した自信だと素直に感服する。


「ま、私もそんな暴力的なことはしたくないから、きっちり無銭飲食の罪で捕まってもらうけど。それが嫌なら、私に協力してもらうわよ」


「おーおー、こりゃ初めから、俺たちはまんまとハメられてたってわけだ。まあ、いいんじゃねぇか? ちょっとくらいこの子の頼みを聞いてやってもよ」


 ランドはすっかり観念したようで、ポンとナギの肩に手を置いて諭すように言った。

 だが、ナギはムッと険しい表情を作ったままである。


「もちろん、私だってタダ働きをさせるつもりはないわ。このミッションが成功すれば、旅の路銀はおろか一生遊んで暮らせるほどのお金が手に入るかもしれない」


「そ、そんなうまい話がありますの!? ナギ、ここは是非とも聞いておくべきですわ!」


 デンスは完全に目が眩んでいるようだった。

 ランドとデンスの後押しもあり、ナギはしゃあねぇなぁ、と舌打ちしながら口にする。


「なんたってこれは、ルクスパレス王からの勅命なんだから。依頼を達成した者には、望みの褒美を一つ与えるってお触れまで出てるんだよ?」


「ルクスパレス王……!?」


 その名を聞いて、ナギの表情が変わる。


「ナギ、これってもしかして――」


 リンに近付くための、大きな一歩になるかもしれない。

 視線を合わせたナギが力強く頷く。


 言葉には出さずとも、ナギも同じ気持ちのようだった。


「それで、肝心の依頼の内容なんだけどね――」

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