第6話 パーティ結成!―8
しかしナギには、初めから戦いの合図なんて待つ気はさらさら無かったらしい。
ナギの手から放たれる火球。
それは口上を述べていたペトラルカに直撃して、爆発四散した。
「おいおい。そんな一方的なタイミングでおっぱじめるヤツがいるかよ」
「悪いけど、オレはお約束の展開ってヤツが嫌いでね。これでも十分、我慢してやった方なんだぜ?」
もくもくと立ち込める灰色の煙。
一陣の風が吹いて煙が流れた時、そこにいたのは真っ黒焦げになった――
「その意見には同感ッスね」
もとい、真っ黒に輝く大剣を縦に構えた、ラウラの姿だった。
「げっ!? 防がれてたのかっ!?」
「二度も同じ手にかかるほどバカじゃないッス!!」
猪のように突っ込んできたラウラは、自身の身の丈ほどはある大剣を真横にぶん回してきた。
あまりに広い、馬鹿げた攻撃範囲だった。
先頭にいるナギは避けられそうもないが、手にかけたティルヴィングを抜く暇もない。
「くッ――」
ナギの胴体が真っ二つになるかと思われたが、すんでのところで後ろから飛び出したランドが、偽エクスカリバーで大剣を受け止めた。
黄色い光と黒い光。
二つの剣が交わった瞬間に、火花のような眩い光が迸る。
「これは――あの大剣、闇の力が宿ってますわよっ!」
「エンチャント・シェイドだッ! 魔法には、魔法で対抗するってことだよッ!」
デンスの言葉を聞いてもよく分からなかったが、ペトラルカは、ラウラの大剣に魔法の力を宿らせたようである。
「コイツの相手は俺がする、おめぇは下がってな!!」
ランドは大剣を受け止めたまま、額に玉の汗を浮かべて言った。
その踵は地面にめり込んで、じりじりと後ろに後退している。
ランドの力を持ってしても弾き返せないなんて、ラウラはなんて怪力なんだ!?
「分かった! じゃあお言葉に甘えて、ここはおっさんとデンスに任せるぜ! じゃあな!」
「って、ええええええ!? 本気で逃げる気!?」
街道を道沿いに駆け出したナギ。
まさか、本当に二人に全部押し付けてとんずらするのか!?




