第6話 パーティ結成!―6
結構、溜め込んでいたのだろうか?
それならば、あれだけ嫌がる素振りを見せたのにも納得できるが……。
「なんだこれ」
しかし期待と裏腹に、ナギが取り出したのはサイコロ程度の大きさの茶色い物体だった。
「……“パンコロ”、ですわ」
「いや、だからなんだこれ」
「……ほら、いざ戦わないといけない時に、お腹が空いていると大変でしょう?」
「そりゃあな。で、なんだこれ」
「ですから、私は非常食として持ち歩いているのです。……パンを食べるときには、必ず一個ずつこねているのですわよ」
全てを理解したぼくらに衝撃がはしる。
「じゃ、じゃあこれは……っ!?」
「ええ、ですから“パンコロ”……私が作った、サイコロパンですわ」
ひ、ひもじすぎるっ!!
パンコロ……なんて悲しさと虚しさを感じさせる響きなんだ!!
「うっわきったね。バイキンとか気にした方がいいよ返すわ」
「ああ……このことは、シュー様だけには知られたくなかったですわ……」
顔を真っ赤にして気落ちするデンス。
物凄く悪いことをした気分である。
さり気に酷いことを言いつつナギは麻袋を返したが、こんな非常食を持ち歩いているあたり、デンスから資金面の協力は得られそうにないだろう。
ナギがやれやれとため息をついた、その時だった。
「お待ちどうさま」
一台の馬車が、ぼくらの目の前で停車する。
やっと来たかと、ぼくは喜んで顔を上げたが――
「行き先は地獄だが、いいかな?」
そう言って皮肉げに微笑んだ御者は、ペトラルカだった。
馬車の荷台から次々と降りてくるのは、ラウラを筆頭とした“黒の剣”の構成員たち。
……しまった、ぼくらの行動は完全に読まれていたのか。
してやったりの表情で構えるペトラルカに対し、剣の柄に手をかけたナギが対峙した。




