第6話 パーティ結成!―5
そして翌日。
それは、街道の途中、乗合馬車を待っている間の出来事だった。
「と、いうわけで。まずはお前らの有り金を全部徴収する」
両手を出して、デンスとランドにそう言ってのけたナギ。
何を言っているんだと、二人ともキョトンとした顔でナギを見ている。
「モタモタすんなよ、オレは勇者様だぞ? こういうのはパーティ全体で何ゴールド持ってるって表示されるって、相場が決まってるだろうが!」
いや、確かに仲間それぞれの所持金が表示されるのは見たこと無いけど、その例え通じるか? 二人に。
案の定、二人とも怪訝な眼差しでナギを怪しんで見ている。
「嫌ですわっ。どうして、命よりも大事なお金をあなたに渡さなくてはならないのです!? シュー様ならともかく」
デンスははっきりと拒絶の意思を示したが、騎士道精神的に良いのかその発言は。
「だから、金は一元管理した方が楽なんだって。どのくらいの距離まで馬車で行けるのかも計算したいし、それだってゆくゆくはシューのためになるんだぜ?」
ナギはナギで胡散臭い詐欺師みたいな言い回しをしている。
確かに……と若干デンスも丸め込まれそうになってるし。
「まあ俺はいいぜ。ほれ」
そう言って、ランドは尻のポケットから硬貨を取り出しナギに渡した。
その枚数、たったの銅貨一枚。あとなんかお菓子の包み紙。
「はぁ!? お前、これしか持ってないのかよ!? その辺の子供の小遣いの方がマシなレベルだぞ!?」
「わりぃが、宵越の銭はもたねー主義なんだ。それにあれだ、お前らを全力で追う時にあらかた使っちまったよ」
確かに、ぼくらと出会ってからはお金を稼ぐ機会なんてなかったし、資金的には減る一方だったろう。
「まあ、これは有り難く使わせてもらうけど……あ、ゴミは返すぞ。自分で分別して捨てろよ。んで、ランドも協力の意思を見せたんだ。デンスもいいよな?」
ナギはデンスににじり寄った。
デンスは涙目になって、ふるふると首を左右に振る。
「わ、私だってお金は残っていません……。ナギに渡す分なんて無いですわ」
「ほーん? そんなこと言っちゃう? お前、いつもオレたちに隠れてコソコソと腰の麻袋を漁ってるよな。あれは何なんだ?」
さすがはナギの観察眼、と言っていいのか、ぼくは気付かなかったけど図星だったらしい。
デンスがハッとしてマントの上から腰を押さえると、確かにそこには膨らみがあった。
「ここは仲間同士……協力してもらわんとなぁ?」
「そうだぜ! 俺だって協力したんだ、嬢ちゃんもここは納得してくれよ!」
銅貨一枚の最年長が偉そうに言うな。
しかし状況はデンスにとって最悪の方向に動いているようで、前門のナギ、後門のランドと、完全に挟み撃ちの体勢を取られ、ついにデンスは観念したのだった。
「わ、分かりましたわ……そこまで言うのなら……これを」
デンスが差し出した麻袋は、ずっしりとした重みと膨らみを持っていた。




