第6話 パーティ結成!―3
――ナギの場合。
「で、なんだよこんな夜中に話って」
野営中、デンスとランドが眠りに落ちたのを確認してから、ぼくはナギに昼間の聞き取りの成果を話した。
だが、ナギはふーんと興味なさげな反応である。
「そ、それだけ? せっかく、二人ともぼくらに同行してくれるって言ってくれたのに。もっと感謝の言葉とかあってもいいんじゃない?」
「そんなのオレに求めてるのか? だとしたら、お前の見込み違いだって先に言っておく」
相変わらずのナギの冷たい態度。
この前の敗北を通してちょっとは柔らかくなったかと思ったが、むしろツンツン度は増しているようだった。
「オレたちは別に仲良しこよしでやってるわけじゃない。それぞれの目的が一致しているから、一緒にいるだけのことだ」
「……じゃあ、もう別にそれでいいけどさ。ぼくらはどうするの? 王都を目指すって目的は変えてないみたいだけど、それって危険じゃないかな」
そう、ぼくらは“黒の剣”に抵抗したばかりだと言うのに、相変わらず王都ルクスパレスを目指していた。
いいからいいからと、ナギも日中は目的を語ろうとしなかったが。
「そんなこと言ったって、お前も分かってるだろ? オレが……いや、オレたちがやろうとしてることを」
「……リンの奪還、だよね。そのことに、ぼくも異論はないよ」
だけど、だからといって王都に無策で刃向かうのは危険じゃないか?
そんなぼくの疑問を見透かしたように、ナギは三本指を立てた。
「三つある。オレが今、王都へ急いでる理由はな」
そう前置きをして、ナギはすらすらと話を始める。
「一つ目は、まだオレたちの情報は王都には届いていないだろうってこと。黒の剣の連中だってあれだけメタクソにやられたんだし、あの人数じゃ王都に真っ直ぐに帰るってわけにも行かないはずだ。もちろん早馬くらい飛ばしてるだろうが、正確にオレたちの特徴を伝えられるヤツはそういないはずだぜ。変装くらいすりゃ、王都に忍び込めるだろ」
確かに、時間が経てば経つほどぼくらの情報は、聖騎士軍の中で共有されてしまうだろう。
にしても、忍び込む前提なのか? ナギの頭の中では。
「二つ目。前述の理由により、今のうちだったらまだ、デンスとランドの協力を得られやすいだろうってこと。要は、大事になる前に巻き込んじまえばこっちのもんだってことだぜ」
ぐへへ、とわざとらしく卑しい笑い方をするナギ。
ひ、人がデンスとランドの心配をしていたのに、反対のことを考えていたのかこの男は……っ!
「まあ、半分冗談で半分本気ってとこだけどな。あいつらだって、手を引く判断をするなら早めの行動が一番だろ? オレたちがモタモタして道中で捕まっちまうってのが、お互いにとって最悪の状況のはずだぜ」
確かにそれはその通りだと思うが、半分は本気なのかい。
「んで三つ目。オレにも時間が無いってことだ」
「……時間? どういうこと?」
予想していなかった一言に、ぼくは呆気に取られて声をあげた。
「まあ、これは追々分かると思うけど……オレたちはお尋ね者なんだぜ? 早く動かなきゃ、王都どころかこの一帯にも居られなくなっちまう」
なんとなく、だけど。
直感的に、ナギは何かを嘘をついているような気がした。




