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第4話 ぼくらの世界(前編)―9

 ペトラルカとラウラは顔を見合わせて、しばらくの間ポカンと硬直していた。

 しかし、とっさにつけたのであろうこの偽名……ナギにネーミングセンスは皆無なのか?


「ブタさん、さっきまでの私たちの話は聞いてたッスか?」


「え? な、なにか実験するって話ですか? いや、意味は全然分からなかったですけど」


「そうッス。例え森の鍵を奪われたところで、私達には戦闘データを取るもう一つの使命もあるッス」


 な、なんか話の流れが予期せぬ方向に動いてきたぞ?

 非常に、いや間違いなく、嫌な予感がする。


「そして……おいブタァ。お前、黒の剣の機密事項を、ちゃっかり盗み聞きしてたみたいだな」


「い、いやぁー、ぼくは悪いブタじゃないですよ? ほら、見てくださいよこの目を」


「あっ! ペトラルカちゃん、きっとこの目は仲間になりたそうな目ッスよ!?」


「いや、俺にはビーズ素材で出来た目にしか見えないが」


 ノリの悪いヤツである。

 ペトラルカは短剣を抜き放つと、ぼくの眼前に突きつけた。


「すまんな。お前が何なのかはさっぱり分からないが、今この場で始末させてもらうぞ」


 それまで見せてこなかった、ペトラルカの冷徹な表情だった。

 情緒不安定な小物キャラだし簡単に騙せるだろ、と気軽に言っていたナギを呪いたい気分である。


「まーっ!! ま、ま、待ってください! さっきの伝言には続きがあって――」


「そんなもの、ただのブラフでしかないだろッ!! これ以上、お前の戯言に付き合っていられるかッ!!」


「『なおこの伝言を伝え終わった後、この自立思考型ブタ型ドールは自動的に爆発するので――十分な距離を取ってね』」


「は?」


 そして辺り一帯が、爆発四散した――

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