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第3話 伝説の剣と伝説の山賊―2

「いや、捕虜の分際で、何でちゃっかり会話に参加してんだ?」


「ところで手に掛かってるこれだがよぉ! 寝にくいからそろそろ外してくれねぇか?」


 ナギのツッコミを無視して、一方的に大声で話をするランド。


「は? 調子に乗るなよコラ。お前が俺たちを監視して、木の上で意味深なセリフを吐いていたことは、完全にバレてるんだからな?」


 ナギは焚き火に使った木の枝を一本拾い上げると、その燃えている方をランドに向かって突きつけた。

 ランドはげっと苦みばしった顔をして、あぐらの姿勢のまま器用に後ずさる。


「分かってんのか? オレがその気になりゃ、お前は明日を迎えることも出来ないんだぞ?」


「な、なんでぇなんでぇ、冗談に決まってるじゃねぇか! 山賊ジョークってヤツだよ」


 そんなアメリカン・ジョーク的なノリの言葉があるのだろうか?

 山賊の世界は不思議である。


「とにかく、お前が意味深なセリフの意味、いや、ここは恥ずかしいセリフと言ってやろう。その真意を言わない限りは、その縄を解いたりはしないからな」


「い、いや、だからそれは、大した深い意味もないし……勇者様とお近づきになりたかっただけなんだよ」


 あれからナギは、何度もランドにぼくらを監視していた理由を問いただしているのだが、その度にランドの回答はこれだった。


「それじゃあ、一生そのままの格好でいるんだな」


「へぇ、それはひょっとすると、ずっと勇者様の旅に同行していいってことか? それは願ったり叶ったりってやつだ」


 がはは、と下品な笑い声をあげるランド。

 当然、そのバカ笑いは、ナギの神経を逆撫でするわけで、ナギは炭になった枝の先端をランドの尻に押し当てる。


「あっちぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」


「とりあえず、次の町まではそのままでいろ。お前の処遇についてはそれから考えてやる」


 熱さでぴょんぴょんと飛び跳ねるランドだったが、それを聞いた途端に目を輝かせ始めた。


「じゃ、じゃあ町に着いたら俺を解放してくれるんだな!?」


「さてな? それこそ、そんな話は明日以降にするんだな」


 ナギの素っ気無い言い方に、ランドはぐぬぬと歯を食いしばる。

 まったく、この調子じゃ、気が休まる暇がなさそうだ。

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