表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/354

幕間 9

 ぼくたちはいつも一緒だった。


 幼稚園からの幼馴染で。

 学校へ行けばいつも一緒につるんで。


 ケンカをしたこともあったけど、いつも勝つのは凪の方で、ぼくは泣かされてばかりだった。


 ぼくたちはいつも一緒の――三人組だったんだ。



***



 その関係が動いたのは、中学生生活、最後の夏休みのことだった。


 せっかくの夏休みだというのに、ぼくらは高校受験のための夏期講習を受けていて、結局のところ、いつもの三人で行動を共にしているのだった。


「あーあ、毎日毎日勉強ばっか。クソつまんねー夏休みだな」


 夕暮れ時、コンビニで買ったアイスキャンディーを食べながら、ぼくらは繰り返しでしかない退屈な日常について駄弁り合う。


「でも、凪は別に塾に来なくてもいいんじゃない? 成績だって学年トップだしさ。どこの高校にだって行けるでしょ」


「そりゃ、高校だったら選び放題だろ、実際。だけどお前、まさか高校に入ることが人生の目標じゃないよな?」


 凪の質問に、ぼくはえっ、と驚いて、溶けかけのアイスキャンディーを落としてしまった。


「じゃあ、凪の目標は何なの?」


 くすくすと笑いながら、彼女は言った。


 涼やかな声だ。

 その端麗な容姿を見るたびに、ぼくはこの二人と一緒に居ることが、身分不相応なことなんじゃないかと不安になる。


「世界征服」


 冗談みたいな言葉。

 だけど、そう言った凪の瞳の奥は真剣だった。


 蝉の声がうるさく鳴り響く。

 ぼくたちはいつも一緒の三人組だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ