表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
104/354

第10話 そして、勇者であるために―8

「褒美を、言え」


 高圧的な態度で、シオンはぼくらを見下しながら言った。

 ナギは膝をついたまま、シオンを睨み返して口を開く。


「リンを……返せ……っ!」


「……リン?」


「お前らが、ゼロゼロイチって呼んでるヤツのことだよ。それとも……ここで言われたら、マズイことだったか……?」


 ピシッと、その場の空間に亀裂が入ったかのように、瞬間的に空気が凍る。


「おいおいなんだ、聞こえないぞー!」

「さっさと通訳しろ、グレゴリー団長ー!」


 観客からの野次が飛ぶ。

 しかし、通訳しろと言われても、グレゴリーというらしい総騎士団長は固まったままで、動けないようだった。


「何の話をしているのかね?」


 グラニアは相変わらずの温和な表情で、ナギとシオンの話について来れていないようである。

 とすれば、黒の剣の実権を握っているのは、やはりルクスパレス王家の方か。


「シオン様。如何いたしましょうか」


 白髪の老人が言う。

 その細身の体から発せられる殺気。


 瞬時に只者でないことを理解する。


「クク……ハハハ……ッ!」


 無邪気に笑い出すシオン。

 その姿に、ぼくらだけでなく、グラニアやグレゴリーも困惑していた。


「まさか、その程度で勝ち誇っているのではないだろうな……ッ!? 貴様らの試練は、これからが始まりだというのに」


「……なに?」


 シオンの言葉にナギが困惑の表情を見せた、その時だった。


「そこまでだ、偽者の勇者めッ!!」


 威勢の良い声を共に、一人の青年が新たにアリーナに駆け込んでくる。


「貴様の悪事、お天道様が見逃してもこの“アルゼ・シュリングル”が逃さねぇ!! ティルヴィングも返してもらうぜッ、この盗人めッ!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ