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 けたたましく鳴り響くサイレンの音。

 パトカーが外を通過するたびに、割れた窓から差し込むパトランプの光で世界が赤く染まった。


 だが鮮血に彩られた少年に、赤という色はもう馴染んでしまったのかもしれない。


「ここまで、か」


 少年は自嘲気味に呟きを漏らした。

 疲れきった表情は、まるで生きることに絶望したようだ。


 その手に固く握られた真っ赤なナイフが、凄惨な事態があったことを物語っていた。


 床に落ちた丸時計の針は、午前三時半を過ぎようとしている。


「どうして……どうして、こんなことに……」


 少年の呟きに答えられるものは誰も居なかった。

 そのまま、時間が止まってしまったかと思うほどの、重苦しい沈黙が続く。


 ――その時、だった。


 ガラクタで埋もれた廃工場の奥から、ぼうっと光が差し込んできたのは。


 見つかったかと、少年はナイフを握り直して光の発生源を確かめに行く。

 しかし、そこにあったのは――思わず目を疑うほどの、幾何学的かつ精緻な模様で描かれた、光り輝く魔法陣だった。

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