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パラレル☆ツインズ

「うん。双子だってことに、僕なら賭けたいな」

 僕は、幾ら可愛く見えても、あの二匹の味方になる気にはなれない。

 味方になりたいのは、男の人の消えた方から手元の紙へと所在なげに視線を移している少年。

 猫の双子と違い、見覚えのある姿は間違いない。

 

 僕は、今いる場所のテレヴィ画面に頭を突っ込んで、室内の少年に声を掛ける。

「リドル、リドルでしょ。君の後ろに猫が二匹いる。君の鞄から、ペンケェスを取り出してるよ」

 デンキネズミの件で知り合ったものの、デンキネズミの終息とともに縁の切れた少年だ。

 リドルは僕が分からないのか、単にテレヴィ画面から現れたものなので驚いてそれどころじゃないのか、目を白黒させている。

 でも僕の言葉は、彼を正気づかせるのに十分だった。

 猫も不意打ちだったのか、僕の告げ口にすぐに反応できなかった。

 ポトリと口から床にペンケェスは落としたものの、返す動作で逃走に掛かるまではいかない。

 その間にリドルが、奴らを見つけた。

「この悪戯猫どもめ。宿直室には、入るなと言われているだろう」

 リドルは逃げかけた猫の内の手近な方を、辛うじて捕まえる。

 むずと首根っこを押さえるが、普通大人しくなるところも、その猫には利かない。

 手足をばたつかせて暴れる。

 逃げられそうになっていたもう一匹だが、仲間の危機に足を止めて振り返る。

「レレリック先生。また奴らが入り込んでますよ。ディルとヨックの奴ら」

 テレヴィの中で、いい気味だとばかりにアァビィがクツクツ笑っている。

 確かに、ディルとヨック。及びヨックとディル。

 

 カーテンで仕切っただけの出入り口の向こうから、男の人の声が返ってくる。

「捕まえたか?」

「一匹は。こっちは、えーっと。こら。暴れるな」

 手の中で暴れる他に、もう一匹が片割れを助けようと駆け戻ってリドルの脛に殴り掛かり噛みつく。

 双子も嫌な奴だけれど、お互いのことだけは大事にしている。

 片方がとっ捕まったからと、これ幸いと置いて逃げたりはしない。

 

 てんやわんやを見物している暇はないと、アァビィが慌てて僕に指示する。

「ラジニ。その部屋の窓を開けて外に出るんだ。学校の二階、視聴覚室にあるテレヴィが一番近い。電源を入れて。そこでまた会おう」

 僕は慌ただしい室内に入り込み、素早く周囲を見回す。

 窓はテレヴィの後ろで、カァテンが閉められていた。

 大人びて落ち着き払って見えたリドルだが、二匹の猫相手に四苦八苦して悪態を吐いている。

 もう一匹も、床の上に押し付けられている。

 

 いい気味だ。

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