終章
二人の騎士の決闘が終わり、二艇の竜は同時に着水し帰って来た。
ダメージを比べると、明らかに不死赤鳥の方が幸福青鳥よりもダメージが大きく、満身創痍で、ギリギリの勝利だった事がわかる。
「ガハハッ、コウ、よう儂を負かしたッ!! 最初はフローリアの真似をと失望したが、まさか、投げた銃刃剣が落ちてくる所に儂の幸福青鳥を誘導して、肉を切らせて骨を断つとは、脱帽したぞ!!」
マキシムはコウの背中をバシバシ叩きながら、心底嬉しそうに、そして楽しそうにコウに告げた。
コウは器の大きな御方だと思いながら「ありがとうございますマキシム様。でも、一度限りの搦め手、二度は通じないでしょう。 今度は正攻防で勝てるよう精進します!!」
「その言や好し、楽しみにしておるぞ──さあ、フローリアが待っておる、行ってやるが良い!」
マキシムはそう言うとコウの背中を押した。
コウは、マキシム様に一礼すると緊張した面持ちで歩き始めた。涙目で待つフローリア様の下へと、そして。
*
「フローリア様……いやフローリア、私を貴女だけの騎士に。 そして、私が帰るべき港に、我が剣を収める鞘となって頂きたい!!」
寡黙なコウの、精一杯の求婚立ったのだが、周りは何の事だか解らなかった──が、フローリアとマキシムを含む騎士仲間には、それがコウの求婚だと分かった。
フローリアは、我前に跪き、騎士の証である剣を自分に付き出すコウに答えた。
「喜んで。 私フローリアは、貴方様の帰るべき港に、そして、貴方様の剣を収める鞘となります!! 末長く宜しくお願いします、私の騎士様」
そう言ってコウの剣を受け取ったフローリアを見て、周りから祝福の歓声が上がるのだった。
何時しかこの時のやり取りが、騎士が求婚する際の恒例となり、大変な事件? を起こすのだが、それは本編での話だ。
いかがでしたか、読みにくかったと思いますが、勘弁してください。
本編の方は、すご~く気長に待ってくださると幸いです。