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第24話

「えええええ!!!」


事件、じゃないけどあたしにとっての大事件が起きたのは、今日の優雅なティータイムだった。





養子に来てから1日たった今日。つまり、次の日。

明日から、桜ヶ丘女子中学校に通うことになった。制服も届いたし。

ブレザーで、とってもかわいかった。

ちなみにに今までの制服はセーラー服。

あたしでもわからないんだけど、なぜか川中は結構制服がかわいい。

スカーフとかネクタイとかじゃなくてリボン。小豆色のりぼん。

普通じゃ考えられないよね。あたしも気に入ってた。

夏服とかだと、白色に小豆色のリボンがよく映える。


で、桜ヶ丘の制服はというと。

こっちも考えられないほど。普通じゃありえない。

制服のかわいさがじゃないよ。値段が。

確かにかわいい。こっちもかわいい。

黒いジャケットに青のネクタイ。スカートは黒と赤のチェック。

ね、めちゃくちゃかわいいでしょ。

でもさ。たかが制服だよ。制服なのに……。

なんで〇〇万もすんのー!?

あり得ないでしょ!あり得ないだろ!?

どういう素材を使ったらそうなるのよ!

さっすがお嬢様学校。スケールが違う。




話をもどそう。


お嬢様言葉とかの訓練を永遠とつけられたあたし。

先生はもちろんありすとありさ。厳しかった。無駄に厳しかった。

あたしの想像をはるかに超えて厳しかった。


それも終わってティータイム。

気分転換にと渡辺さんが紅茶をいれてくれた。

お嬢様文化になれないといけないし、あたしも進んでやってる。


それで渡辺さんと談笑中。

うん、ここまではよかった。

ふつーだった。

いたっておかしいところもなかった。


おかしかったのは渡辺さんだ。そう信じたい。あたしは普通だ。


「日向ちゃん」

「はい、何ですか?」


「川崎中学校に遊びに行ってもいいからね」


ブハッ!

あたしはみごとに紅茶を拭きだした。

乙女にあるまじき行為だった。


「ははははは、はい?!」


「いや、だから、川崎中学校に、学校が終わった後なら遊びに行っていいからね」


この人が本当に渡辺財閥の社長なのか疑った。


だってだってだって!

仮とはいえ、あたしは渡辺財閥のご令嬢だよ?!

そんな人が不良の巣窟に遊びに行っていいの?!

マジで?

マジで言ってるの!?


「いいい、いいんですか?!知ってると思いますけどあたしはあそこの元不良ですよ!?」

「私はその元不良に助けられたんだよ」


きっぱりと断言する渡辺さん。


「いいんですか?本当にいいんですか?」

「もちろん」


にっこりと笑う渡辺さん。


本当にいいの……?

本当にいいの?!

みんなに会いに行ってもいいの?!

いいの?!


渡辺さんは話を続ける。

長かったのでまとめると、あたしには本当はあそこのほうが

あっていると思うから、だそうだ。



嬉しいよ!

すっごく嬉しいよ!


あたし、人生で1番嬉しいかもしれない!


会いに行けるんだ。

みんなにあってもいいんだ!


「あ、ありがとうございます!」

「いいんだよ、お礼なんて。まぁ、学校のほうは頑張ってもらわないとね」


頑張ってみせる。お嬢様だろうがなんだろうがなりきってやる。

みんなに会えるなら安いもんだよ。









で、あたしは川中に行くことを認められましたとさ。




そこまでは、まぁ、百歩、いや、千歩譲ってよかった。

よかったよ!


でもさ。


あんな別れ方したのに今更どうやって行けばいいんでしょうか。



神様、教えてください。



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