表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/37

第19話

「みんな、よーく聞きなさい!1回しか言わないから

ちゃんと聞きなさいよ。何があっても聞き取るのよ」


あれから2日後。

つまりは、明日あたしは養子に行く。

この学校で過ごす最後の日。


もうすぐ6時。

皆が帰りの用意を始めたころ、あたしは話を切り出した。


みんなをこちらに注目させる。

よし、全員こっち見たな。


ちゃんと言うことにした。

みんなにちゃんと言うことにしたの。

転校のこと。


言わずに行くなんてあたしらしくない。

みんなだってきっと怒る。

だから、言っておくことにしたの。

みんな驚くだろうな~。



「あたし、転校することになったの」


シーンと静まり返った音楽室。

あたしは余裕を見せつけるかのように話しだす。


「だから、女王の座は降りさせてもらう」


目を見開いてあたしを見てる。

煙草の灰をポロッと落とす不良たち。

ほんと面白いわね。


「あたしが次の女王を決めさせてもらう」


誰も、何も言わない。

あたしの言葉を待っている。

あたしにはそう見えるから話を続ける。


「次の女王は……」


あたしはあの子を指差した。


すっごく驚いた顔をしている。

驚いた、なんてレベルじゃない。


そりゃそうよね。

あたしがいきなり話を進めていくんだもの。


だけど、事実なのよ。

驚かないでちょうだい。

あたし、もう決めちゃったんだから。

何を言われても、戻る気はないんだから。


だから、あなたもいつもみたいにかわいく笑いなさいよ。

最後にあなたの笑顔を見せてよ。

それだけであたしは頑張れるんだから。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ