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レジェンド探偵 ASAKURA ~俺のハードボイルドに触れると火傷するぜ(俺が)~  作者: Sakamoto9


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第70話 妙な噂?

「楽しそうな飲み方で、素敵なカップルですね。」


白い口髭のマスターがこっちを見てニッコリと笑った。


「いや、カップルじゃないぞ。」


「カップルじゃないですよ。」


「あ、ほら、被った。息もピッタリなんだ。」


またマスターが笑った。


「いやだから違うって。」


「違いますよー。」


マスターは笑ったままだ。


「あははは、愉快な方たちだな。」


カウンターの隣の席のハンチングを被った男性がこちらを見て笑ってる。


「あ、ご紹介しましょうか、こちら、フレッドさん。うちの常連さん。」


マスターが軽く左手を男性客の方へ向けた。


「どうも。」


フレッドさんがグラスを持ち上げた。


「こんばんわ。アタシ、ニーニャ。」


「アサクラだ、よろしく。」


ネコ娘とオレもグラスを持ち上げて、乾杯のポーズを取る。


「いきなりこんなこと聞いたら失礼なことは承知の上で・・ お二人はご夫婦?」


フレッドさんがグラスを持ったまま、尋ねる。


「ちがいますよー。 夫婦でもカップルでもないです、こっちはレジェンド探偵さんで、アタシはその助手なんですよ。」


「へぇ、レジェンド探偵? そんな人が居るんだ。 あ、まぁ、実際に今目の前に居るもんね。いや、今夜は凄い方に出会えたな。」


「お客さんたち、ウチの店、今日初めてだよね?」


マスターも参戦してきた。


「あぁ、この店というか、オレたちはこの街自体が初めてなんだ。まぁ、正確に言うと、ここにきて、まだ1カ月は経ってないんで、ほとんどここのことを何も知らないんだ。」


「そうでしたか、ようこそヴァルトベルクへ。」


「ウェルカム、トゥ、ヴァルトベルク。」


マスターとフレッドさんが微笑みながらグラスを持ち上げた。


「ありがとう、アタシ、この街が大好きだわ。」


「へぇ、お嬢さん、うれしいことを言ってくれるね。 お世辞でもうれしいよ。」


「お世辞じゃないわ。 山鳥の香草煮込み、ブラント・エッグ、ドライ・ピクルス、根魚煮、全部大好きよ。」


「うっわ、それって全部食べ物、それも名物料理じゃないか。 まぁ、それなら確かに、好きだってのもお世辞じゃないかもな。 あははは。」


「食べ物だけじゃないよ、人も優しい人が多くて好きだよ?」


「まぁ、自分たちで言っちゃうと手前味噌になっちゃうけど、この街は戦争がなくて、商売もそこそこ成立するんで、あまりギスギスしてないんだよ。」


「さっきまで市場の八百屋のニックさんに紹介してもらってピアノバーに行ってたし、魔道具屋のマルティンさんは美味しいお茶をご馳走してくれるし、この街の人はみんないい人よ?」


「へぇ、ピアノバーって、あの大通りの美容室の2階の店かい? あんな隠れ家をニックが紹介するなんて珍しいな。 それにマルティンさん? まだ1カ月しか居ないっていう割に、しっかり有名人と知り合いじゃないか。」


「ニックさん、マルティンさんって実は凄い人たちなの?」


「凄いっていうか、ニックは市場組合の副会長で、マルティンさんはこの辺では名の知れた魔導士だよ。」


「マルティンさんって魔導士だったんだ。だから魔道具屋をやってるんだね。」


「あんたらは探偵さんだから魔導士じゃないよね? なんでマルティンさんと知り合ったんだい?」


「マルティンさんの店のある事件の解決を依頼されたんだ。ちょっと細かい内容までは守秘義務があるんで言えないけどな。」


「あ! 盗難事件を解決したってのはあんた達か! マルティンさんから話は聞いてるよ、そうかそうか。」


「なぁんだ、知ってたんなら話は簡単ね、そう、それで知り合って、これからもお茶のみに立ち寄れって言われてるの。ふふふ。」


「確か、マルティンさんの所の事件は雑用クンが夜眼水晶を持ち出してたんだよな。それに関連して、最近妙な噂を聞いたんだよ。」


「妙な噂? 気になるな。」


「その夜眼水晶を売るディーラーが居るって噂なんだ。」


「夜眼水晶を売る? でも、夜眼水晶ってのは、そこまで使い勝手の良い魔道具じゃないって聞いたけどな。」


「そうなんだよ、特に使い道がない魔道具なのに、そんなものが売買されてるってのが不可思議だって、さっきマルティンさんとも話してたところなんだ。」


「ちなみにどこでどうやって売買されるんだ?」


「なんでも合言葉があって、確か、『今夜は満月』みたいな感じだったかな?」


「えぇっ! もしかして、それって『今夜の星は綺麗か?』のことか?」


「あ、そうかな、うん、たぶんそうだ。」


「それ、オレも実際に会ったことがあるんだ。 まぁ、オレ自身が声かけられたわけじゃなくて、スクーゼの屋台で一緒に飲んだウメちゃんって人が声かけられたんだけど。」


「その、ウメちゃんって人は知らないけど、スクーゼの屋台ってのはわかるかも。 そこって、鉢巻きした細いおじいさんの店かい?」


「あ、そうそう、たぶんそこだ。マスターが鉢巻巻いてた。 で、ウメちゃんは皮骨ってのを食べてたよ。」


「皮骨がある屋台なら、あそこだな。うん、わかるよ。」


「で、そのウメちゃんはライブ・アンド・ルーズって店でバンドのボーカルとして歌ってんだ。で、その店へ行く途中で声かけられたんだよ、『今夜の星は綺麗か?』って、」

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