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レジェンド探偵 ASAKURA ~俺のハードボイルドに触れると火傷するぜ(俺が)~  作者: Sakamoto9


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第69話 自家製

「あぁ、美味しかった。 雰囲気良いからワインが進んじゃったね。 そろそろ出る?  もう2本飲んだしね。」


「あぁ、確かにワイン2本空けたな。 ってか、オレはグラスに2杯だけで、後は全部キミが飲んじゃったんだけどな。」


「まぁまぁ、細かいことは言わないの。せっかく楽しかったんだから、ね。」


「いや、細かいって、ワイン2本空けたのにオレは2杯ってことは、オレが1杯飲んでる間に、残りのボトル全部キミが飲んでるってことだぞ?」


「そんな難しい計算しないの。楽しかったわ、これも素敵なダンディで孤高のレジェンド探偵さんのおかげね。」


「お、おぅ。 まぁ、楽しかったならそれで良いさ、うん。」


店を出て階段を降りると、さっきまでのピアノの音色が心地よかった空間とガラッと変わって、街の大通りの喧騒に包まれる。


「うーん、なんだか、俗世間に戻ってきましたーって感じよね。」


「キミはずいぶん詩人っぽいことを言うんだな。まぁ、これが現実ってことだな。」


「そうね、じゃ、宿に帰りますか。」


「そうだな。あ、でも、このまま大通りを歩いて帰ってもつまらないだろ、こっちを通って帰ろう。」


大通りの1本裏道に入る。


まだ人通りが多いな。よし、もう1本次の道まで行ってみるか。


「ここも案外と良い雰囲気の通りじゃないか。」


「貴方好みの通りってこと?」


「あぁ、そうだな。こういうところこそ、情報が集まる良い店があるんだ。 ほら、例えば、そこのバーなんか、入口周りからして、良い雰囲気だろ?」


「ふーん、錆びれた感じが良いってこと?」


「それは長く店が続いてる証拠だからな。 今風の綺麗な店じゃ歴史を感じ取れないだろ。」


「まぁ、それはそうね。」


「よし、入ってみるか。」


「ええ、いいわ。面白そうだし。」


キィ・・。


煤けたドアを開けると、軋み音がした。


店内は想像通り、落ち着いたレトロな感じで、でカウンターと、4人掛けのテーブルが3卓で、テーブル席1つに3人、カウンターに2人客が居た。


「2人だけど、カウンターいいかい?」


「あぁ、いらっしゃい。どうぞ。」


白い口髭のマスターがカウンターにコースターを置いた。


「なににしましょう?」


「オレは、バーボン・ロック。」


「アタシはビールもらおうかな。」


「ビールはジョッキだけどいいかな?」


「はい、それでお願いします。」


ゴトッ


重そうなロックグラスが置かれた。中に粗削りな氷が1つ。


そうそう、こういう感じが良いんだよ。


トトト・・


ロックグラスに半分位バーボンが注がれる。


ドンッ


大きなビールジョッキが置かれる。


「わぁ、ジョッキ大きいな。」


「それは、困ってるのか? それとも喜んでるのか?」


「もちろん、うれしい驚きだよ。 ほら、乾杯しよ。 ハイ、かんぱーい。」


「おぅ、乾杯だ。」


ビアジョッキとロックグラスが持ち上げられる。


なんだか常にネコ娘にペースを持ってかれてる気もするが・・。まぁ、良いか。


「これ、ローストミックスナッツね。 ウチでローストしてるんだ。 香ばしいって、結構評判良いんだよ。」


「へぇ、自家製? どうやってローストするの?」


ネコ娘がアーモンドを摘まみながらマスターに聞いた。


「うちでは、オーブンを使ってローストしてるんだよ。 昔はフライパンで乾煎りしてたんだけど、ちょっと目を離すと直ぐに焦げて匂いが付いちゃうんで、オーブンにしたんだ。これなら失敗知らずだからね。まぁ、ちょっと手抜きってことかな。」


「全然手抜きじゃないよ、自家製でローストしてるだけでも十分凄いよ。 だって、これ、本当に香りが良いもん。」


「へぇ、そうなのか? じゃ、オレも頂いてみようか。」


アーモンドをひとつ、パクっと口に放り込んだ。


ほほう、確かにこれは香ばしいな。


「うん、良いな、これはバーボンにあう。」


「そんなに気に入ってもらえるなら、これもどうかな? こっちもウチで作ってみたドライフルーツなんだけど。」


コトッ。


小さな木皿に3種類のドライフルーツが盛られていた。


「えぇ? 自家製のドライフルーツってこと? 素敵だわ。 これはブドウ、こっちはリンゴでしょ? あと、これは何かしら?」


「これはイチジクだよ。甘酸っぱくて、酒にあうんだよ。」


「へぇ、イチジク? 面白そう。じゃ、これ早速もらっちゃおうっと。」


ネコ娘がドライイチジクを取って、端の方を齧った。


「うわー、甘酸っぱくて美味しいー。」


「そうか? じゃ、オレも。」


パクっと。


「うん、食感もしっとりしてて、これもバーボンにあうな。」


「ふー。これはビールが進むわねー。マスター、ビールお代わりお願いします。」


「はぁ? もう飲んじゃったのか? さっきワイン2本空けたばっかりだぞ? キミはザルなのか?」


「なに言ってるの、バーに来たら飲まないと。飲むなら来い、飲まないなら来るな、って言うでしょ?」


「いや、全然違うだろ、それは、飲んだら乗るな、乗るなら飲むな、だろ。」


「意味は一緒でしょ?」


「ひとつもあってないだろ。逆に、どこら辺が同じなのか教えて欲しいよ。」

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