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レジェンド探偵 ASAKURA ~俺のハードボイルドに触れると火傷するぜ(俺が)~  作者: Sakamoto9


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第62話 星霧鈴

「何言ってるんだい。このサービスベルは一時大人気で品切れでなかなか買えない位の売れ行きだったんだけど、知らないかい?」


「そうなのか? 全然知らないな。」


「あれは24年位前だったか・・ 最初は子供達の間で噂になって、それからはもう、社会現象かのように、皆がこぞって手に入れようとしたもんだから、どこへ行っても入荷待ちで大変な騒動だったろ? 本当に覚えてないかい?」


「あ、まぁ、オレたちはこの街の人間じゃないんで、昔のこと、それも24年前の事は知らないんだ。」


「なんだ、そういうことかい。それじゃ知らなくても当然だ。 まぁ、それくらい人気があったってことさ。」


「そう言われると気になるな。買ってみるか。」


「まいどあり。」


昔大流行したっていうサービルベルを買って店を出た。


「次は、アタシの欲しかったヤツ、買いに行こうよ。」


「あぁ、好きにしろ。」


「貴方も一緒に行くんだよ? で、貴方が買うんだよ?」


「はぁ? なんでオレが買うんだよ。」


「残業代の代わりでしょ? 昨日の夜、『いいぞ、何でも買ってやるぞ、お前の魂が震えるものならな』、って言ったじゃん。」


「・・・いや、オレは絶対そんな中二病を拗らせたみたいないことは言わん。」


「そうだった? まぁ、それっぽいこと言ったんだよ。 ってか、貴方はいつもそんな感じのことしか言ってないけどね。」


「オレは先に宿に帰るぞ。」


「あー、ちょっと待って。わかったわかった、貴方はそんなこと言わないわ。」


「そうだろ? 当たり前だ。 だいたいオレは孤高のレジェンド・・」


「そうよね、うん、そうだ。あなたはレジェンド、そうそう、レジェンドっと。はい、こっち。ほら、行こう!」


「だから、人の話は最後まで聞けって。あ、おい、先に一人で行くなよ。」


あれ? 結局連れてかれてるじゃないか・・。


「ここ、ここ、この店だよ。うん、まだあった。」


ネコ娘が木製の白い扉の店に入っていった。


店に入ると、窓際の風鈴のようなものを指さした。


「これだよ、星霧鈴。」


「星霧鈴? なにするものなんだ?」


「これは風で揺れて、その音色で小さな精霊の力を呼び寄せるって言われてるんだって。すごく縁起が良い、幸運のお守りみたいなものね。」


「精霊の力ってどんなものなんだ?」


「精霊の力は、何かが動いたりするんじゃなくて、気分を良くしてくれるのと、幸運を引き寄せる感じ?」


「それって、スピリチュアルなだけじゃないのか?」


「いいのよ、それで。気分は大事でしょ?」


「まぁ、キミがそれが欲しいっていうなら、好きにしてくれ。 宿の部屋につけて、幸運が引き寄せられるなら、別に拒否はしないぞ。」


「やったー。じゃ、どの星霧鈴にしよっかな。」


ネコ娘がいろんな星霧鈴の音色を聞き比べてる。


チルルルン、チルルルン


「よしっ、これにしようっと。 どう? 良い感じの音色でしょ?」


「ふうん、風鈴とは違った音だな、なるほど、これが精霊の力を呼び寄せる音か。」


「きっと幸せも沢山寄ってくるんだよ。」


 サービスベルと星霧鈴を持って市場の中心へ向かって歩く。


「そろそろお昼だけど、今日も根魚煮?」


「いや、違うものでも良いんじゃないか? もう2日続けて食べたからな。別に嫌いって訳じゃないけど、そこまで一生懸命毎日食べなきゃいけない、ってものでもないだろ。」


「そうね、それじゃ何にしようかな。」


ネコ娘が目を細めながら、鼻をヒクヒクさせている。


あれ? あの看板の絵はピザじゃないのかな?


「なぁ、あれってピザか?」


「どれ? あ、あれ? あれは麦盤だね。」


「麦盤っていうのか。どんな感じなんだ? もっちりとか、さっくりとか。」


「うーん、アタシ麦盤は食べたことないな。本で読んだことはあるけど。」


「それなら、それ喰ってみないか?」


「うん、いいよ。」


壁にピザの絵、いや、麦盤の絵が描かれた店に入る。


店の奥にはピザ窯が見える。まぁ、正確には麦盤窯なんだろうけど。


「いらっしゃいませ。」


桜色の短いエプロンをした若い女性がメニューを持ってきた。


「へぇ、麦盤って色んな具材が乗るんだね。 色々ありすぎて悩んじゃうな。」


「お客様、今の時期はこちらの小魚と焦がし乳脂の麦盤がおススメですよ。この小魚は、今のシーズンが旬なんです。」


「へぇ、小魚か、それにしよう。アタシ、それにする。」


流石はネコ、魚介類には直ぐ反応するな。


オレはどうしようか。 これがピザだとするなら、定番はトマトベースだよな。


「よし、オレはこの野菜とベーコンの麦盤ってのにしよう。これって、ベースのソースは選べるのかな?」


「はい、トマトソース、ホワイトソース、黒麹味噌ソースからお選び頂けます。」


「黒麹味噌・・ちょっと気にはなるけど、今回はトマトソースにしよう。」


「小魚と焦がし乳脂の麦盤と、トマトソースの野菜とベーコン麦盤ですね。お飲み物はどうなさいますか?」


「アタシはフルーツミックスジュースお願いします。」


「オレはアイスコーヒーにしよう。」


「かしこまりました、しばらくお待ちください。」

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