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レジェンド探偵 ASAKURA ~俺のハードボイルドに触れると火傷するぜ(俺が)~  作者: Sakamoto9


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第58話 歌う?

「あぁ、確かに気持ち悪いな・・。」


「だろ? ビビるだろ?」


「ただ、面白半分じゃなく、何か目的があって声かけてきてるみたいだな。」


「おいおいおい、それじゃ余計に怖くなるじゃねーか。」


「オレとウメさんと2人で歩いてたのに、真っすぐウメさんの方に行ったんだから、ウメさんだってわかってるってことだしな。」


「やめてくれよ、マジで怖いって。」


そんな話をしてるうちに、歌の店の前に着いた。

看板にはライブ・アンド・ルーズって大きな文字が書かれている。

既にバンドの音が店の外に漏れて来てて、期待値が上がっちまう。


ウメさんがドアを開けると、大きな音の圧に圧倒されてしまった。

生バンドの音はやっぱり違うな。


店内にはかなり客が居て、空いてる席はバンドのステージからは少し離れた場所だけだった。


「なぁ、ウメさん。さっきからバンドの演奏は続いてるけど、誰も歌ってないぞ? 歌が歌える店じゃなかったのか?」


「あぁ、そうだよ、ここは歌が歌える店さ。歌わなきゃイケない店でもないさ。」


「なんだか禅問答みたいな店だな。」


「まぁ、そんなに焦るなよ。まずはもうすこしガソリン入れてからってな。おーい、注文頼むぜ。」


ライブ・アンド・ルーズって胸に店名がプリントされたTシャツ姿のスタッフがやってきた。


「注文ですか?」


「あぁ、オレはラム酒のロック。」


ほほう、ウメさんはラム酒か。じゃ、オレは定番で行くか。


「オレはバーボン、ロックで。」


「ラム酒ロックと、バーボンロック、っと。」


スタッフが注文票に書き込んで席から離れて行った。


バンドの演奏が終わって、ステージのライトが暗くなる。


「はい、ラム酒とバーボン。」


さっきのスタッフが少し大きめのロックグラスと小皿を無造作にテーブルに置いた。


「あ、これはカラカラの実のローストだよな?」


「お、レジェンドさん、知ってるんだな。 これはこの店のサービスで必ず出してくれるんだ。 まぁ、乾杯しちゃおうぜ。 乾杯!」


「おぅ、カンパイ。」


本日2件目の幕が開いた。


 ステージのライトが点くと、さっきまでとは違うバンドが演奏を始めた。

なるほど、色んなバンドが交代で出るんだ。


「さて、と。 ちょうど良い感じになってきたし、行ってくっか。」


ウメさんが立ち上がって、ステージへ向かっていった。


慣れた感じでステージにあがると、バンドメンバーからマイクを受け取る。

とたんに店内に歓声が広がった。


え? なんだこれ? 歌うってまさか・・。


「壊れたままでいい――俺は、まだ鳴っている」


これがウメさんの歌? ってか、『バンド演奏で歌える店』じゃなくて、バンドのボーカルじゃないか、ウメさん・・。


3曲歌い終わったウメさんが席に戻ってきた。


「ふぅ、この一杯が喉に染みるんだ。」


ゴクっと一気にラム酒のロックを飲み干した。


やべぇ、超かっこいいじゃないか、よし、オレもバンドのボーカルやろう。


「なんだよウメさん、バンド演奏で歌える店なんて言うから、カラオケみたいなところかと思ったら、ウメさん、バンドのメンバーなんじゃないか。騙されたぜ。」


「あぁん? カラアゲ? なんじゃそりゃ?」


あ、この世界、カラオケは無いのか・・。


「いや、何でもない、気にするな。要するに、カッコ良かったぜって話だ。」


「あんまり褒めるなよ、照れるだろ。 まぁ、オレの唯一の趣味なんだよ。」


さっきまで屋台で皮骨をむしゃぶりながらぬる燗飲んでたおっさんが、趣味でバンドで歌うとか、マジかっこいいじゃんか。こういうギャップ、レジェンドたるオレにも必要かもな。


ウメさんは、その後ラム酒を2杯飲んだところで、ゆっくりと立ち上がった。


「さて、そろそろ寝る時間だ、楽しかったぜ。」


軽く右手を挙げて店を出て行った。


なんだよ、いちいちカッコ良いな、ウメさん。 


 ウメさんの後を追うように店を出てホテルに戻った。


「お帰り。今日は早いじゃない。」


ネコ娘が窓際のベッドにちょこんと腰かけていた。


「あぁ、別にオレの目的は飲み歩くことじゃないからな。目的は・・」


「情報収集なんでしょ? で、収穫は?」


「だから、人が喋ってる時に上から被せてくるなって。 そんなに毎日毎日ネタが拾えるわけないだろ。 それより、そっちはどうだったんだよ?」


「今日も怪しい人の出入りは無かったわね。 やっぱり犯人はあの雑用の彼なんじゃないかな。」


「まぁ、状況からみても、アイツが犯人なのは間違いないだろう。ただ、証拠がないんだよな、肝心の証拠が。」


「そういえば、マルティンさん、後はワシの役目だなんて言ってたけど、どうするのかしらね?」


「まぁ、同じ時間に来いって言ってたんで、行けばわかるんじゃないか。」


「そうね。 あ、ねぇ、マルティンさんの店に行く前に、市場へ寄っていこうよ。」


「あぁ、別に構わないけど、なにかあるのか?」


「欲しいものがあるんだよねー。」


「なんだよ、決まってるものがあるなら一人で行って来いよ。」


「何言ってるの、買い物するには財布が必要でしょ?」


「はぁ? なんでまたオレが買わされるんだよ。」


「今日も残業したじゃん。」


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