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レジェンド探偵 ASAKURA ~俺のハードボイルドに触れると火傷するぜ(俺が)~  作者: Sakamoto9


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第45話 事件の匂い

 それじゃオレも食べてみるとするか。

このサイズなら半分に割らずに一口で食べられるだろ。


パクっと。


「うっわ、あっつい!」


「だからアタシが熱いって言ったじゃない。」


「いや、だって、キミはネコ舌だから、ちょっとオーバーなのかと思ったんだよ。でもこれ、マジで熱いな。」


「チーズがたっぷり入ってるからなかなか冷めないんじゃない? ねぇ、貴方の野菜チーズパイって何が入ってるの?」


「さぁ、一口で食べちゃったし、熱くて味わかんなかったよ。あ、そうだ、チーズパイ、3個あるから、1個は交換しないか?」


「あ、それ良いねー。じゃぁ、はい、これ、アタシのベーコンチーズパイね。じゃ、貴方の野菜のヤツを1個もらうね。」


ネコ娘は早速、野菜入りのチーズパイを半分に割ってる。


「へぇ、コーンとピーマン、トマト。あと、これは、あ、玉ねぎだね。彩りも素敵じゃないの。」


オレも、ネコ娘を真似て、野菜入りチーズパイを半分に割ってから食べた。


馬鹿みたいに熱くなければちゃんと味がわかるぞ。

案外と野菜の味もちゃんとするんだな。


続けて、ハーブティーを飲む。


身体も気持ちも温まる感じで、かつ、ハーブのおかげてなんだか浄化されてるみたいな感じもする、良いね、この朝食って。


 朝食を食べ終えて店を出る。


「市場にでも寄ってみるか。」


「果物買う?」


「いや、情報収集だ。市場ってのは大多数の市民が“取り繕わない顔”を晒す場所なんだ。 金の動き、食い物の質、売り買いの声色。そう、そこにその街の“リアルな生活”が全部詰まってるんだ。 つまり、事件の匂いは、まず市場から立ち上るのさ。」


「ふうん、あ、確かに匂ってきたね。これは、ヂケヌの香りよね。」


「え? キミに事件の匂いがわかるのか?」 


「わかるよ、この匂いだけで、あの甘酸っぱい感じが口の中で再現されるよ。」


「え? 甘酸っぱい? それはどんな事件なんだ?」


「え? どんな、って、普通の青いヤツだよ?」


「はぁ? 青い? おいおい大丈夫か? なんで事件に色が付いてるんだよ。」


「さっきから何言ってるの、ヂケヌは青い方が美味しいって常識でしょ?」


「えぇ? 美味しい? ・・のか、事件って?」


「冷やすともっと美味しいって聞いたことあるな。 買って冷やして食べようか!」


「買う? 冷やす? え?」


「あ、ほら、やっぱりあった、ヂケヌ!」


ネコ娘が野菜と果物が満載になっているリヤカー式の屋台へ向っていった。


「大きいよー、これ買おうよ!」


ネコ娘が小さなスイカ位の果物を持ち上げて見せてくる。

なんなんだ? さっきから。 オレも野菜と果物の果物の屋台へ近づいた。


「ほら、見てよ、大きなヂケヌ。」


うん? 大きな事件、いや、 ヂケヌ??


「あれ? もしかして、キミが持ってる、その大きな青い果物って、ヂケヌっていうのか?」


「そうよ? 貴方がヂケヌの匂いは、市場から立ち上る、とかって言ったんでしょ? ここにあることを知ってたんじゃないの?」


「いや、オレが言ったのは、事件の匂いは、まず市場から立ち上るって話だ。ヂケヌじゃない。」


「あっ、そういう意味だったの? 全然分からなかったわ。 だいたい事件の匂いってなによ? 具体的にどんな匂いなのよ? 貴方って、意味わからないことばっかり言うから、話理解するの大変なのよね。」


「ふっ。匂いってのはな、鼻で嗅ぐもんじゃない。視線の揺れ、声の濁り、空気の張りつめ方、そういう“違和感”が重なったとき、脳が勝手に“匂い”として再構築するんだ。 何も考えずにのほほんんと五感だけに頼ってると、真実の一歩手前で必ず見失う。 事件の匂いってのは、そのさらに奥に漂ってくるもんさ。」


「要するに、匂いじゃない第六感なんでしょ?」


「いや。え? まぁ、それは人それぞれ表現するものが違うってことだ。」


「はいはい、まぁなんでもいいや、とにかく、このヂケヌ買おうよ。ホテルの冷蔵庫で冷やして食べようよ。」


「あぁ、わかったよ。 オレ、そんな果物食べたことないけど、美味いっていうなら試してみよう。」


青い小さいスイカみたいな事件、いや、ヂケヌを持って市場を更に散策する。


「わー、これ、大きな干し魚だ。」


ネコ娘、やはり魚に惹かれるのか、確かにちょっと大きい干し魚を見つけた。


「お姉ちゃん、これはスモークフィッシュ・ヴァルトって言って、レインフィッシュをスモークしたものだよ。名前の通り、ここ、ヴァルトベルクの名物の一つさ。」


「へぇ、これもヴァルトベルクの名物なの? 美味しそうだよ、買ってみようよ。」


ネコ娘が、サケ位の結構な大きさの表面は黄金色で燻製香が漂う干し魚を持ち上げて見せてきた。


「まぁ、買うのは構わないけど、それ、どうやって喰うんだ?」


「あぁ、これは、軽く炙ったら、手で千切れるようになるんで、小さく契って、お酢に唐辛子をいれたタレを作って、それをちょっと付けて食べるんだよ。レインフィッシュの身は淡泊だけど、スモークすることでうま味が凝縮するんだよ。」


「凝縮したうま味で、炙ると柔らかくなる魚か、面白そうだな、よし、買ってみよう。」


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