第44話 リンゴとバナナ?
じゃぁ、このリンゴ、いや、ルビナってのか。これからいってみようか。
パクっと。
「うわ、え? めっちゃ甘くて、ねっとり柔らかいぞ? これってバナナか?」
「え?アヤヤ? なにそれ?」
「いや、アヤヤじゃなくて、バナナ。そういう果物があるんだよ。」
じゃ、次はバナナみたいなの、サンバルだったかな? これを食べてみるか。
パクっ。
「えぇ? 甘さの中に酸味があって、シャキシャキ、ジューシー。これってリンゴだよな?」
「マンゴ?」
「いや、マンゴじゃない、リンゴ。マンゴじゃ更に違う果物になっちゃうよ。」
「うーん、そのアヤヤとかマンゴとかって、貴方の世界の果物なの?」
「バナナとリンゴな。 そうだ、そういう果物があるんだ。ルビナっ赤いのが、見た目はリンゴにそっくりなんだよ。でも味はバナナだった。で、サンバルって黄色いのが見た目はバナナにそっくりなんだけど、味はリンゴなんだよ。」
「なんだかゴチャゴチャして良くわからないわね。要するにルビナがアヤヤだけどマンゴで、サンバルがマンゴだけどアヤヤだってこと?」
「いや、アヤヤとマンゴじゃないし、マンゴってのは更に別の果物だから、もう話がぐっちゃぐちゃでオレにも整理できない。まぁ、いいや、簡単に言うと、オレの居た世界にも似たような果物がある、ってことだ。」
「そう、じゃ、食べ慣れてるってことで良いんだよね?」
「あぁ、味はそうだ。 ただ、見た目とのギャップがちょっとな・・。」
「あぁ、美味しかった。朝から新鮮な果物食べて、幸せだわー。 さ、朝食はどうするの? どっかに食べに行く?」
「はぁ? 今果物喰ったろ。」
「え? 果物は朝食じゃないでしょ?」
「そうなのか? オレの世界では、果物も朝食の一種だぞ?」
「あ、そういうことなの? ここでは、朝起きたら、まずは果物食べて、それから朝食を食べるのよ?」
「朝から結構しっかり食べるんだな。 まぁわかった。じゃぁ、朝飯食べに街に出てみるか。」
ネコ娘と2人で大通りまで出てきた。
「朝から結構店が開いてるんだな。みんな外で朝飯食べる感じなんだろうな。」
「そうかもね。昨日の2軒目の店も24時間開いてるって言ってたしね。」
「そういえばそうだったな。で、何が食べたい?」
「そうね、朝はやっぱりチーズパイとハーブティーが良いかな。」
「チーズパイ? 面白そうだな。それにしよう、それはどこに行ったら食べられるんだろう?」
「たぶんだけど、どこの店でも食べられると思うよ。朝食の定番メニューだから。」
「そうなのか。それじゃ、そこの店はどうだ? 軒先にテーブルがあるところ。外で食べたら気持ちよさそうじゃないか?」
「うん、アタシもそこが良いな。」
食堂の軒先のテーブルに座る。
「いらっしゃい。なにしましょ?」
初老のスタッフがコップと水差しをテーブルに置きながら言った。
「アタシ、チーズパイとハーブティーください。」
「チーズパイはクラシックとベーコンと野菜があるよ。」
「うーん、じゃ、ベーコンチーズパイにする。」
「オレは、その野菜のチーズパイでハーブティーをもらおうかな。」
「ベーコンと野菜ですね、お待ちください。」
スタッフが店内に戻っていった。
「なぁ、こんなことは聞かれたくないかもだけど、キミはずっと監獄に居たんだよな? それでもやっぱり朝食はチーズパイとハーブティーだったのか?」
「別に、聞かれて困ることでもないけど・・。 そうね、メニューで言えば、。チーズパイとハーブティーだったよ。 ただ、チーズの香りがちょっとする感じがしないでもない、って位の硬いパイっていう名前のパンみたいなのと、ほんのりとハーブの香りがするって言われたら否定はできない位の薄いハーブティーだったけどね。」
「なんだか、すごい表現だな。 それって、単なる硬くなったパンとお湯じゃないのか?」
「まぁ、実際はそうだったのかもね。でも看守は、チーズパイとハーブティーだって言ってたし、それしか食べたことないから、それが本当かどうか解らなかったしね。 だから、今から出てくるチーズパイとハーブティーは楽しみなんだ。」
「お待たせしました、チーズパイとハーブティーね。これがベーコンで、こっちが野菜です、ごゆっくり。」
テーブルにチーズパイとハーブティーが並んだ。
「へぇ、チーズパイって、オレが想像してたのより全然小さいんだな。一口サイズって感じなんだ。」
「だって、朝、もう果物食べたでしょ?」
「なるほどな。少しづつバランスよく食べるって感じか。なんだか朝からガッツリ2回も食事するのかと思ったよ。」
「そうね、健康に気を使ってる人は果物の方が多めで、体使う男の人とかは、チーズパイの方が多め、みたいな感じで食べるかな。 さっそく頂いちゃおうっと。」
ネコ娘がチーズパイを指で半分に割った。
「うわっ、熱い。そしてチーズがたっぷりだ。ベーコンもたっぷり入ってるし、おいしそうだ。」
半分に割ったチーズパイを口に運んだ。
「あ・・ 熱い・・。 ほふほふ・・。 でも、おいひい。」
「おいおい、口に物入れたまま喋るなよな。」




