表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レジェンド探偵 ASAKURA ~俺のハードボイルドに触れると火傷するぜ(俺が)~  作者: Sakamoto9


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/58

第22話 シャドウディーラー

 なるほど、巡礼者の団体か、これは使えるな。


ちょうど、大通りを門へ向かって歩いている、これから出国するであろう巡礼者の一団が来た。


「よし、あの人達が出るときに一緒に混ざって出よう。 今だ、行こう!」


巡礼者の団体の後ろに、しれっとくっついて門へ向かう。


門の警備兵の前に来ると、巡礼者たちは警備兵に向かって片手で拝むようなポーズを取った。オレもそれを見様見真似でやってみる。


警備兵はそれを見て、コクっと頷くだけで、直ぐに他の人達に目線を移した。


よしっ、ゲート通過!


やっぱりオレ、やれば出来る子。褒められて伸びるタイプなんだよ。


「ふ。どうだ、成功したろ?」


「そうね。門の外に出られたわね。でもさ、次どうするか、どっちがヴァルトベルクかも解ってないんでしょ?」


「なんだよ、今はまず、成功を祝おうぜ。素直な心がないと立派なネコにはなれねぇんだぜ。」


「アタシ、ネコじゃないから。ネ・コ・族、だから。だいたい、アタシ、ニャーニャー鳴いてないでしょ、貴方とちゃんと言葉で喋ってるでしょ。」


ネコ娘と馬鹿話をしてるうちに、門が小さく見える程遠くまで歩いていた。


「なぁ、ここまでくればもう安全だろう。この辺で少し休まないか?」


「そうね、ずっとこの巡礼者たちと一緒に歩いてると、巡礼者からも不審者扱いされかねないしね。」


ネコ娘が珍しく素直にオレの意見に同意したな。


「あそこの切り株が沢山あるところで座ろうぜ。」


大きな切り株に座ると、牢を出たところからの緊張、いや、もしかしたら、投獄されて以来の緊張から開放されたからか、大きなため息が出た。


ふとネコ娘を見ると、オレとは逆に緊張しているように見える。


「どうした、キミ。緊張してるのか?」


「うん、ちょっとね。アタシ、ヴァンダニアを出たの初めてだから。」


そうか、ずっと牢の中で暮らしてたんだもんな。ちょっと生意気なネコだけど、同情する部分もあるよな。


「そうか。まぁ、始めて外に出たのがオレと一緒だったってことは、キミは既に祝福された世界線に居るってことだ。安心しろ。」


「ねぇ、もう一度聞くけど、これからどうするか、どっちにヴァルトベルクがあるのかも解ってないんでしょ? その自信、どこで売ってるのかな? ちょっと分けて欲しいくらいだわ。」


あ、同情なんかするんじゃなかった、やっぱりムカつくだけのネコだったよ。


「あれ? あの向こうに見えてるのって、シャドウディーラーかな? 本当に漆黒のマントを着てるんだ。アタシ、本物見たの初めてだな。やっぱり外の世界って面白いんだね。」


ネコ娘が遠くの一団を指さした。


「え?シャドウディーラー? それは何?」


「あ、シャドウディーラーって言うのは、『法と秩序の目をすり抜け、欲望と秘密を取引する黒衣の商人』って言われる密貿易商たちのことだよ。シャドウディーラーだってわかるように、全員が漆黒のフード付きマントにスリムのレザーパンツ姿なんだって。それに、ほらあれ、黒猫を連れてるでしょ? あれがそのグループが本物であることの証になるんだってさ。アタシも初めて見たんだけどね。」


「『法と秩序の目をすり抜け、欲望と秘密を取引する黒衣の商人』・・メチャクチャかっこいいな。ちょっとオレ、話してくる。」


「え? はぁ? ちょっと待って、アタシも行くよ。」


ネコ娘と一緒に、シャドウディーラーの一団に近づいてみる。黒衣の商人達は全部で5人、全員一斉にこちらを向いた。すぐに先頭の一人が手に持っていた杖を構える。


両手で構えた杖が伸びたように見えて、中から細く輝く剣が出てきた。

これは、本物の仕込み杖だ。


「あ、ちょっと待った! オレ達は怪しいものじゃない。」

大きく両手を振って何も武器を持っていないことをアピールした。


一団の真ん中に居た男がゆっくりとこちらへ近づいてくる。


オレ達の前で立ち止まってゆっくりとしゃべり始めた。


「貴殿たちは何者であるか?」


「はじめまして。オレは朝倉信玄、人は俺をハードボイルドでダンディな孤高のレジェンド探偵と呼ぶ。ただ、オレ自身は自分の信念に従って生きてるだけだがな。」


「ハードボイルドでダンディな孤高のレジェンド探偵? 悪い輩ではなさそうであるが、クレバーな御仁でもなさそうであるな。 それよりも、そのお連れの方は、ネコ族とお見受けするが。」


いきなり失礼なヤツだな・・。しかし、ネコ族を知ってるのか?


「えぇ、はじめまして。アタシ、ニーニャ、お気付きの通りネコ族の末裔よ。」


「ほほう、これは珍しい。ネコ族の末裔である貴殿が、この御仁と一緒に居るということは、この御仁はやはり輩ではない、ということじゃな?」


「えぇ、ちょっと、いや、相当変な人だけど、決して悪い人ではないわ。」


「おいおい、なんだよ失礼な話だな。なんでオレの判断の基準がこのネコ娘目線なんだよ。」


「おや、貴殿はネコ族の力を知らんようじゃの。ネコ族は人の本質を感じ取る力があるんじゃ。だから異端視されて、特にヴァンダニアでは投獄されてしまうと聞いたことがあるがな。」


「アタシ達、そのヴァンダニアのマグメトリア監獄から脱獄してきたところなんだ。」


おいおい、ネコ娘、いきなり脱獄を宣言しちまったぞ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ