~対称的な二人~
「こんな形で
終わっていいの?」
○○はそう言った・・・
話は今から八年前・・・
僕たちが出会った
ところまで遡る・・・
「<ユキヒロ>!!ゴミ箱捨てのジャンケンやろうぜ!!」
あっ!!
忘れていたが
僕の名前は<ユキヒロ>
ありふれた名前だが
自分では結構気に入っている。
・・・そんな事を言っていたらジャンケンに負けてしまった。
「・・・ゴミ箱が二つあるのになんで一人でやんなきゃいけないんだ」
なんて自分勝手なことを考えていると目の前であたふたしている女の子がいた。
どうやらどの場所に
どのゴミを入れるか
わからないようだ。
このまま知らんぷりするのは胸が痛んでしまうので勇気を振り絞って声をかけた・・・
「あ、あの・・・」
声が裏返りそうになった
「はい?」
ぽかーんとした顔で女の子は言葉を返した。
「も、燃えるゴミはこっちですよ」
ただこの一言を言うだけなのに緊張してしまった。
「あ・・・、そうなんですか!!、ありがとうございます。」
どこか抜けたような感じで女の子は僕にお礼を言った。
その後女の子は軽く会釈して教室に帰っていった。
「あの子ちょっとタイプ・・・」
バカみたいな事を考えてしまった。