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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第四章:強化期間・前編
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長期休暇期間


 ストゥム達アカバ王国とレオポルド達マハラ帝国の重要人物達との戦いから数ヶ月。

 季節は巡り、今は初夏目前といった時期だ。

 街やギルド、延いてはそれぞれの国は今、新たに現れた未曾有の危機に瀕していた。


 ストゥム達との戦いから2週間後の休みの日にギルドより齎された『魔王登場』という報せに、数ヶ月経った今でもその話題で持ち切りで、不安の声や逆に倒してやるという威勢の良い声で物凄く賑わっていた。


 国中がそんな状態になっている今、俺達学生は長期休暇期間が目前に迫っている時期だった。


 長期休暇期間は毎年夏の間に実施される学生特有の休暇だ。

 大抵の学生は家の手伝いだったり、友人と遊んだり、中にはギルドで依頼を請ける者も居るだろう。

 俺自身も去年まではずっとギルドで依頼を請けて、遮二無二己を鍛えることに全ての時間を費やしていただろう。


 まぁ、今年も鍛えること事態は代わり無いんだが。



 学生は基本全生徒学園の敷地内に在る寮で日々を過ごすことになっている。外泊する場合、どのような目的で外泊するのかを事細かに報告書にして提出しなければならない。俺はもう何度書いたかわからないが、アレはめんどくさいが俺達学生の安否確認の為なため甘んじて素直に毎度書いてる。


 しかしこの報告書もこの長期休暇期間は地元や実家に帰るという有無で書類を提出すれば、いくらでも外泊出来るのだ。

 まぁ当然その生徒が本来帰る筈の家に帰るんだ、そこをいちいち報告書に書くのは違うだろう。

 それにこの長期休暇期間で羽目を外して怪我しようと、大怪我しようと、死のうと、この期間だけは学園側は一切責任を負わない。全てその生徒の自己責任という処理になる。

 つまり長期休暇期間ってのは、学生達にとっては授業も無い自由な日々が長期間有る素晴らしい休暇期間、学園側としては1年に1回の全責任からの開放期間という訳だ。


 当然中には寮に留まる者も居る。そういう生徒が学園の施設を使う事が出来るが、飯を食べるのも、服を洗うのも、本を読むことも、闘技場を使うことも、魔法薬学などの施設を使うことも、全部自由に使える。

 使えるが、全て自己責任でやりたいことに必要な食材やら材料やら備品やら、そういった物は全部自己負担だ。つまり自分で用意しなければならない。


 もし万が一問題が起きた時の為にこの期間にも学園へと教師達も常駐しているが、彼等は基本学生とは接触しない。

 常に職員室にて在中し、夜にはあらゆる施設の戸締まりをしてから帰宅する。生徒から声を掛けられれば反応はするが、普段とは違ってマトモに取り合ってもらえない事がほとんど……だそうだ。


 俺が通っていた近くの街の学校はそうだった。そしてチャーラルやイリコスやエンラジー曰く、この学園も同じらしかった。



 そんなわけで俺も寮の管理者に届け出を出して寮を一時的に出た。

 当然家なんかには帰らない。向かうのは当然魔王の待つあの廃城だ。



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