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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第三章:亀裂
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▼side Another act3:思い出の場所


 フォルティス・サクリフィスは今、1人ポツンととある場所で大の字に寝転がって、水色のキャンバスを揺蕩う白い雲をボォーッと眺めていた。


 今の彼は総帝としての仕事の帰りで、場所は彼やサースの故郷である村の近くの思い出の場所であり、秘密基地のような場所だった。


 フォルティスが此処を訪れるのは、決まって何も考えたくない時だった。

 彼にとってこの場所はサースとの思い出の場所であり、同時に何も考えていなかった幼少期を思い出し心を落ち着かせるのに十分な憩いの場でもあった。


 フォルティスは思う。最近この場所に訪れる事が増えていると。


 キッカケはまず間違いなく、自分が総帝になってからだった。

 総帝に成るまでの日々も大変だったが、総帝と認められてからは総帝としての仕事の連続だった。

 毎日血みどろの戦いを行い、毎度全身を返り血で染め上げ、毎回汚れた総帝としてのローブを洗う日々。そんな日々に疲れた時に訪れる場所が此処だった。その筈だった。

 しかし最近はほぼ毎日来ている。

 理由はハッキリしていた。他の帝達の自分への態度と、サースの自分への態度だった。


 フォルティスは自分の事を、ある程度察しの良い方だと考えている。だから、サースが自分に対してどう思っているのかをある程度察しているつもりだった。

 僕の才能が羨ましくて手を伸ばし、でも届かなくて悔しいから色んな形で仕返ししてくる。そこに、最初は悪感情が有ったかもしれないけど、それも8年以上続けば立派な腐れ縁で、相応の信頼関係が築けていて、自分達の友人としての在り方はそういう形なのだと察しているつもりだった。


 しかし、首都の学園に編入してからの僕達の関係を思うと、本当に自分が思うような関係なのだろうかと悩むようになったのだ。

 忘れもしない。サースが獣人族の皇子相手に散々血を流し、見るからに全身ボロボロで今すぐにでも治療しなければ死んでしまう。そんな怪我をするまで生身で彼の皇子を素手で降した時だ。


 あの時は心底震えた。一言で言ってしまえば魅了された。2人の殴り合いが格好良くて、しかも2人とも何処か楽しそうだった。

 そこでふとフォルティスは考えてしまった。


 サースは自分と戦り合う時、あぁやって笑っていたかと。




 中途半端ですが、本日は此処までです。



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