表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
最終章:プロローグ
677/689

終局は近い。


 端から見れば同年代ほどの2人が喧嘩をしているように見えるだろう。


 でも実際は大人と子供の稽古のような内容だ。


 そしてその本質は、ある種一方的な殴り合いだ。


 痛い、というのは体が訴える悲鳴だ。

 その痛みの度合いで生物は自分の体の危険度合いを把握する。


 じゃあその痛みを感じなくなって久しくなったこの体は、一体全体どういう状況なんだろうな。


 痛みを感じなくなって久しいこの体は、しかししっかりとラズマリアの『破壊』に慣れ始めていた。

 おかげで魔力を視る眼、本質を視る眼で見なくとも、彼女の攻撃に籠められた『破壊』がどれだけの破壊力を有しているかを喰らう度に正確に把握し始めている。


 意識は明確だ。視界も良好。体の調子もこんな状態にも関わらずこの戦いが始まる直前よりも調子が良い。

 ただし痛みは感じない。これが『破壊』されたからなのか、それとも体が危険を通り越しもう後が無いと認識したが故のある種の暴走状態なのか。

 いずれにせよこの体が既に限界を越えていることは元より今更だった。


 そう、痛みだ。痛みを感じなくなって久しい。

 じゃあラズマリアの方は?

 答えは確実に弱っている、だ。


 序盤はその暴力的な『破壊』力に体が悲鳴を上げていた。ラズマリアの『破壊』力は絶好調と言えただろう。


 中盤はその『破壊』力は衰え始めていたけど、本人も無自覚に理解しているのか、攻撃の手数も衰え始めた。


 終盤はもはや攻撃の頻度は俺と変わらないほどまで減って、『破壊』もほとんど乗らず、『破壊』ではなく破壊属性の域まで弱っていた。


 体は確実に限界。

 本質を視る眼で確認した俺の魂は無いも同然まで減っている。

 ラズマリアの方ももうほとんど力を持っておらず、彼女の魂が丸見えの状態になっている。


 終局は近い。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ