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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
最終章:プロローグ
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転移の為だけの部屋だ


 「……………………あのさぁ……」


 「まぁまぁ、そんな呆れないでさ。着いたよ」



 マー君が言ったその部屋は一言で言えば何もない部屋だった。

 ただ俺が見れば、この部屋の意味がわかってくる。此所は転移の為だけの部屋だ。



 「さぁ早く中に入って。閉めちゃうから」



 言われたように部屋の中へと入れば、ダンジョンのボス部屋の扉の開閉音のような重い音を立てて扉が閉まる。そこから更に立っているのが難しいほど地面が揺れた。



 「今のは?」


 「仕組みを説明すると、ダンジョンで例えれば此所はボス部屋で、さっきの部屋は宝物庫のその更に奥に隠された正真正銘最後の部屋なんだ。

 そして今の揺れはこの部屋とさっきの部屋を物理的にも次元的にも移動出来ないようにした反動なんだ。


 さっきの部屋は俺か俺があの部屋に居ないと此所に飛ばされる仕組みになってて、こっちに転移してきた奴等は戻るか違う魔法陣に乗って転移するしかこの部屋から出ることは出来ない。そういう仕組みになってる。


 で、此所の説明だけど、見てわかる通り転移の為だけの部屋だよ」



 そう言ってマー君は1つの魔法陣へと近付く。

 するとその場に、1脚の椅子が現れた。


 傷の付き方や経年劣化で最近見たものと比べて非常に貧相だ。


 でもこの椅子には、この玉座には見覚えが有る。



 「これが、安全に人界と行き来出来る手段か……」


 「サー君も使いたいなら使って良いけど?」


 「遠慮しておく……」


 「そっか残念」



 とか言いながら全く悔しそうなカオをしてないマー君は、俺に何故か続きを促す。



 「なに?」


 「さぁさっきみたいに試してみてよ」


 「終わったらその内にね」



 言って、言われた通り席へと座り足許に魔力を流した。


 そうして切り替わった景色は、見覚えが有る部屋にたどり着いた。


 此所はあの廃城の謁見の間だ。



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