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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第十一章:やり残したこと
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充実した生活の変化Ⅱ


 そうしたちょっとした生活の中で、俺という1人の人間が丸くなったように感じることが増えた。


 丸くなったと言えば籠められる意味にもよるが、戦闘を主とした奴規準だと攻めるのが得意な奴が守る方が得意になった、みたいな印象を持たれることが有ると思う。


 実際俺自身も、自分の戦い方が変わったと思う。

 魔界に住む前の俺なら、防御も回避も全部次に繋げる為の攻撃の溜めとして用いていた。魔王と出会ってからは、それこそ力にものを言わせて正面から相手の攻撃を受け止めるか攻撃することで防ぐなんて戦い方をしていた。

 それが今や、防御するならしっかり防御するし、回避するならしっかり回避することが増えた。超攻撃的な戦い方から、攻撃的な戦い方になった、もしくはバランスの取れた戦い方になったと言えるほど攻撃以外にも意識を向けた戦い方へと変わった。


 ただ、じゃあ結果的に弱くなったのかと検討すれば、そんなことは無かった。逆に強くなったほどだ。


 今だからこそ言えることだが、魔王と出会う前の俺の戦い方は『勝てる土俵を作る戦い方』で、魔王と出会ってから魔界に移り住むまでの戦い方は『とにかく攻めて相手に攻撃の手札を与えない戦い方』だったように思う。

 総合的に考えて、攻め一辺倒だった戦い方に防御や回避といった戦い方が加わったことで、戦い方の幅が拡がった。戦い方の幅が拡がったから出来ることが増え、結果的に強さへと繋がった。

 それこそ本気の魔王と戦い、遂には5分間生き残れるようになるほどまで。

 イギライア曰く、魔王は本気で戦って1分も無力化出来ないことが相当悔しいらしく、彼は彼で修行していると言っていた。そんな魔王を相手に5分だ。



 そうした実感が俺の生活に心の余裕を生み、それが強さに繋がることを知ったからより心に余裕が生まれるようなことを率先してやるようになった。


 その結果、俺は丸くなったんだと思う。


 いつしか魔王と呼んでいた親友のことをマー君と呼ぶようになり、いつしかガレリアという女性のことを意識するようになり、抱き付いてくるレヴィアタンの胸を堪能するような余裕が生まれた。

 そうした心の余裕が心境の変化へと繋がり、こうした日記を書くことになり、気付けばこの日記はラズマリアとの決戦の前日まで書くことになった。



 ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■



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