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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第十一章:やり残したこと
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救世のための新しい魔術の開発


 細かく決まったことは3つだ。

 この会議は半月に1回、魔界、天界、エルフの郷の順番で、各世界の代表とその補佐の2人が向かい行う。次は天界だ。


 参加者はそれぞれの世界の王が決めることになるが、自分が参加したいなどの自我を出さないこと。アンガルミア対策だな。


 主に動くのは魔王だが、天界の支配階級は権能としての創造を使えるため、魔王のように創造を行うこと。魔王が呼び掛ければ動く奴しか居ないそうだ。


 この決定を経て、改めて魔王の存在が全世界にとって重要なんだと再確認出来た訳だが、会議が終わってそれぞれの世界の奴等がそれぞれの世界に帰って行ったあと、魔王に言われた。



 「毎回連れて行くからね」


 「なんでだよ」


 「天界については最初の1回だけで良いよ。最初の1回だけで済めばの話だけど。 エルフの郷の方はガレリアさんだっけ?彼女が喜ぶから毎回連れて行く」


 「……仮にエルフの郷へは良い。ガレリアにエリクサーを作ってもらえるかもしれないからな。天界はなんでだ?」


 「俺の母親はね、愛が深いヒトなんだよ……」



 そう語った魔王の目が遠くを見ていた。

 魔王がそんな反応をするのは珍しいが、それだけでどういう意味なのかを察した。



 「家族仲が良いんだな」


 「良く言えばそうだね。悪く言えば子離れ出来ない親だよ」


 「愛が無いよりはマシだろ」


 「サースが言うと重みが違うね」



 そんな話の後はいつも通り、地下で魔王と戦り合った。

 会議の後の試合は、お互い精神的に疲れていたのか体の動きが悪いように見えた。


 それから1週間、魔王は空いた時間はずっと色んな人型や魔物の体を創り続けた。

 俺は俺で、新しい魔術を創った。指定した範囲内に有るものを一定時間毎に人界の何処かへ転移させる魔術だ。

 この魔術の開発で1番苦労したのは一定時間毎にという部分だ。普通魔法にしろ魔術にしろ行使すればそこで終わりのものがほとんどで、転移なんかまさにその象徴とも言える。

 例えば水球を産み出す魔法。アレは見方によったら魔術とも言えるが、そこから好きな形に弄ったり、規模を大きくしたり出来るのは魔法の特権だ。

 対して魔術は、行使してから、いつまでその効果を持続するかを予め設定しておかないとならない。地面や紙に描く絵のように、途中であぁしようこうしようが魔術では出来ない。


 言うなれば魔法は自由で、魔術は仕組み的なんだ。



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