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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第十一章:やり残したこと
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三世界会議Ⅷ


 ガブと呼ばれた彼女、彼女のフルネームは恐らくガブリエルなんだろう。


 その名を冠する美徳は、確か『勤勉』。

 彼女の口振り的に、『勤勉』は俺を一定以上には評価してくれているらしい。


 そしてウリエル、カシエル、アズラエル。彼女達はそれぞれ『純血』、『節制』、『忍耐』だ。


 つまり七大罪からは『嫉妬』、『傲慢』、『憤怒』、一部『強欲』から、七美徳からは『勤勉』、『純潔』、『節制』、『忍耐』からそれぞれ評価されていることになる。


 魔王から聞いた話によれば、そもそもこの14のいずれかから好かれるだけでも特例相当で、好かれてもそれぞれの側から1つだけなんだそうだ。

 それなのに俺はそれぞれの側から複数好かれてる。


 それだけでも有り得ないのに、俺は『憤怒』と『忍耐』の両方から評価されている。

 この2つは遂になるもので、どちらかに好かれればどちらかには嫌われるらしい。にも関わらず、俺は両方から評価されているらしい。


 七美徳の半数以上から少なからず評価されているのなら天界的には俺の言葉に聞く耳を持って良い筈なんだ、理性的に考えて、本来であれば。だから本当に、天界側が悪態を吐く理由は魔界側に属する人間の出した案という点のみなんだろう。



 「お前達が評価するなら一廉の人間なのだろう。だが……」



 アンガルミア。彼女から見ても七美徳からの言葉は無視できないらしいが、それでも否定する理由を探すのを止めない。


 いつまで経っても決断を出さない彼女に対し徐々に怒りが溜まって来たんだろう、サタンから微妙に魔力が漏れ始める。

 そして怒ってる訳では無いだろうに、レヴィアタンとルシファー、マモンとアスモデウスからも魔力が漏れ始める。


 それぞれ『憤怒』と『嫉妬』と『傲慢』と『強欲』と『色欲』。この場で色欲が反応する理由はわからないが、もし色欲が反応するようなことが有るとすれば、今1番感情が揺れ動き続けている彼女が出所で間違い無いだろう。


 時間が経てば経つほど漏れる魔力が多くなり、いよいよ本格的に垂れ流されそうになる直前、ウリエルだろう女が口を開いた。



 「浅ましいですねアンガルミア。貴女はいつからそれほど俗物になったのですか?」



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