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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第十一章:やり残したこと
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嫌がらせ


 「な、る、ほ、ど……。理屈はわかるし、今天界がやってる生贄も無くせる。

 創造に特化した俺がガワを創ってやれば、それが渦を圧迫して愚妹の愚行を一時的にでも止められる。そこに愚妹が嫌がりそうなことを仕込み続けて、今のシステムを用いた蛮行への意識を可能な限り忌避させる……。


 試す価値は十分に有るな」



 説明を終えた後の魔王は真剣に俺の説明したことを吟味していた。


 俺が説明したことは簡単だ。質量と魔力を大量に内包する魂の無い塊を創り出し、そこに傷付けたら発動する罠を仕掛けるというものだ。


 ラズマリアがアレをやるのは、恐らく自分の力の誇示とそれによる人界からの支持を得ることだと仮定した。そうでないと説明が付かないし、魔王から聞いたラズマリアはとても短絡的ですぐに感情に支配されて癇癪を起こすガキだとも聞いた。

 ガキは嫌がることをとにかくやろうとしない。ガキに限らず、命有るモノは大概が嫌なことはしたくないものだ。そしてそれはガキだと特に嫌がる。


 だから俺はそもそもその力の誇示の為に今の仕組みを利用した無差別破壊を嫌がるように仕向けることにした。


 つまり嫌がらせだ。


 転移の渦から現れるモノが減ることは恐らく無い。でも今のその渦の機能を利用すれば、少なくとも今みたいに女子供が無差別に渦に巻き込まれることもゼロに等しく出来そうだし、現れると同時に問答無用で殺される事態は防げる可能性が一気に上がる。

 現れたモノを壊すのが嫌になってさえくれれば、例え最終的に殺されるのだとしても猶予が生まれる。猶予さえ生まれれば、その間に天族なり魔族なりが転移して潜伏することだって可能だろう。潜伏出来たのなら、今後渦に巻き込まれた一般人を救うことも出来るかもしれない。


 大事なのは、子供に『これはやりたくないと思わせることだ』と魔王に説明すれば、どうやら魔王的にも腑に落ちた提案だったらしい。



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