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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第十一章:やり残したこと
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転移の渦Ⅱ


 「……サース?何をして、何をしようとしてるのかなサース?サース!!」



 魔王の怒鳴り声が聴こえた気がしたが気のせいだろう。


 転移の渦と言っていた。

 渦ってことは、内側へ向けた回転のことだ。

 魔力を操り、渦を作り出す。


 幸い俺の属性は水だ。本来の渦に近いものを簡単に作り出せる。


 渦は徐々にその勢いを増していき、終いには真ん中に穴が開く。穴と言っても向こう側が見えるだけだが、ここで更に、隣に同じものを作り出「ストップ!!!!」


 左手側に同じものを作り出そうとした途端、破壊の魔力を持った暴力的な俺よりも更に大量の魔力を含んだ水によって、俺の作り出した渦は完全に潰された。


 こんなことを仕出かしたのは1人しか居らず、邪魔をしたことに一言文句を言ってやろうかと下手人を見れば、珍しく大量の汗を流しながら引き攣った表情をする魔王の顔が有った。



 「本当に油断も隙も無いな! サースは今、自分が何をやろうとしたのかわかってるのかな?!」



 その焦りようで、俺がやろうとしたことが正解だったことを悟る。そして、だからこそ止められたんだろうことも理解した。



 「答えは得たからもうやらない。だから安心してくれ」


 「本当に?!本当の本当の本当の本当の本当の本当に?!!約束だよ!!?」


 「わかったから掴み掛かって来るな!無自覚にやった俺が悪かった!」


 「本当に頼むよ?!俺にサースの魂ごと殺させないでね!!?」



 口ではわかったわかったと投げ遣りに返すが、内心ではそれほど触れてはならないことだったのかと、今度は俺の方が身体中から汗を噴き出す。


 どうやらこれも禁忌だったらしい。

 ただ、理屈はわかった。なら、案外魔王からの相談は簡単に片付きそうだ。



 「なぁ魔王、ラズマリアの件だが、嫌がらせするって言うのはどうだ?」


 「……嫌がらせ?」



 俺は魔王に、馬鹿馬鹿しい方法での解決案を説明した。



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