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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第十一章:やり残したこと
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魔王の知る魔力を増やす方法


 魔王と散々戦い、油断や余裕が無くなったらしい魔王を前に5秒も持たなかった直後の朝食後、魔王からソーマ以外での魔力を増やす方法を教えてもらった。


 単刀直入に言えば、要は魔物を喰えということだった。


 魔物はつまり魔石を持つ生物の総称だ。

 つまり魔石は魔力の塊で、スァールァドーク風に言えば魂の塊だ。

 その魔石を魔石を持たない雑食の生物が口の中を血だらけにしながら食せば、肉体や精神や魂は魔界を代表とした魔へと近付くが、確実に魔力は増えるらしい。


 これだけ聞けば楽に魔力が増えそうだと思うが、肉体や精神や魂が魔へと近付くということは、つまり現在の種族を止めるということだった。

 例に出して説明されたのは、人族が狼系の魔物の魔石だけを食し続ければ体表には毛皮が生え、現在の耳は小さくなり代わりに頭の上の方に狼を思わせる耳が生えて来て、尻穴の少し上辺りから尻尾が生え始め、最終的にはワーウルフに成るらしい。


 ワーウルフは心臓が魔石の人型の狼だ。

 ワーウルフに成る。つまり魔物に成るという訳だ。


 加えてこの変化にはかなりの痛みを伴うらしい。

 体の構造から造り変えられるのだから肉体的な痛みは当然だが、それは精神でもあるし、魂でもあるため、片腕を失くした奴が失くした腕が痒いや痛いという幻肢痛のような痛みも合わさるからなかなかに地獄だそうだ。


 更に俺は、既に魂がいつ死んでもおかしくないほどに弱っている。しかも生まれた時から俺の魂は本来の形をしていない。その為俺がもしこの方法で魔力を増やすとなれば、良くてショック死、悪くて別の手の付けられない化け物に成る可能性が有るらしい。

 これがまだ1種類の魔物の魔石だけを食べるのであれば手の付けようが有るみたいだが、俺がやるのは目に付く魔物全てが対象だ。だからもし俺が別の化け物に成るとすれば、何が混じっているかわからない魔王を本気にさせるような化け物に成ってしまうことになる。


 だから魔王はアレだけ駄目だと繰り返していたわけだ。



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