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たまにはまったり
「今は?」
「夜中だね。夜食でも食べるかい?」
「食べる」
「はいどうぞ」
魔王からスープが入っているだろう深皿の皿を差し出されたため起き上がる。
案の定スープで、どうやら今夜は兎肉と豆のトマトスープらしい。
魔界の食べ物は美味い。変な食材も有るが、大概が質が良くて一杯で満足出来る。
最初に兎肉に口を付け、次に豆と一緒にスープを飲む。今日も美味い。
「美味しそうに食べるねぇ。そうだ、レヴィアタンとの逢瀬はどうだったの?」
「逢瀬とか言うなよ寒気がする。まぁ楽しかったよ。あぁやって過ごす楽しさを知れた」
「良かったじゃん。なのに足りないんだ?」
「足りないな。こればかりはもうどうしようもないと思う」
話しながら食べ進め、食べ終わったところですぐに皿を回収された。
その後何を話すわけでもなく、ただ呆然と時間を潰した。




