デート:レヴィアタンⅨ
…………。
「大罪なんて呼ばれるものの化身が言う言葉じゃ無いな。それはどちらかと言えば美徳って奴等の方が言う言葉なんじゃないのか?」
「偏見よ。貴方の指摘通り、確かに私達は基本的には人間を己の領分へと引き吊り堕として、その養分で力を得る魔の側。
でも実は、親しい隣人には当然のことを解いたりするぐらいには人間の常識に疎い訳では無いのよ?」
「言い回しが完全に人外のソレだな。まぁ、どんな意図が有れ、レヴィアタンが俺を想って言ってくれたってことは伝わったよ」
「やっと貴方が他のことにも目を向けてくれるようになった。今はそれで十分ね」
そんな話をしている間に門へと到着する。
門番は代わらず彼で、挨拶した時の反応も普通のようだったから問題無かったようだ。
そのままレヴィアタンに抱き付かれて移動し、俺の部屋の前へと到着する。しかしレヴィアタンが腕から離れる様子はなかった。
「着いたんだが?」
「えぇそうね」
「……離れてくれないか?」
「何故?」
そこで何故と返って来ることが何故と言いたくなるが、それを堪えて努めて冷静に返答することを心掛ける。
「レヴィアタンの提案してきたデートはもう終わっただろ?じゃあなんで部屋の中にまで入って来ようとするんだ?」
「?おかしなことを聞くわね?愚問よ。することするの。そこまでがオトナのデートなのよ?」
「帰れ」
「嫌よ」
埒が明かない。そう判断した俺は、「しても部屋の中で寛ぐだけだぞ」とだけ伝えて、仕方なく彼女を部屋の中へと招き入れた。




