デート:レヴィアタンⅦ
「んーー、ん!満喫したわねぇ」
「楽しかったか?」
「それを聞くのは私の方。貴方は楽しかったかしら?」
「こういうのも悪くないと思えたよ」
「それは良かった。誘った甲斐が有ったわね」
「レヴィアタンからすればこんな子供と過ごすのは退屈じゃなかったか?」
「戦士に大人も子供も無いわ。退屈じゃなかったかですって?大満足よ!」
「それは良かった」
城へと帰りながら腕に抱き付いてついぞ離れなかったレヴィアタンと言葉を交わす。
確かに楽しかったし満たされた。こんな毎日を送れたら、さぞ充実した毎日だろう。
だが……、
「足りない、かしら?」
続く言葉を紡ぎ出す直前に、レヴィアタンが紡ぎ出そうとした言葉を適時に吐き出された。
虚を突かれ、一瞬体が強張る。
歴戦の戦士であり、今尚腕に抱き付いているレヴィアタンには俺が驚いたことがよくわかったことだろう。それを知ってか知らずか、更に言葉を重ねる。
「確かに今日のデートは貴方にとってとても有意義だったことでしょう。有意義だったからその分だけ満たされたことでしょう。こんな1日も悪くないと思えたことでしょう。
でも足りない。
貴方は常に何かを求め続けてる。それは渇望と呼べるほどのもので、マモンの領分である強欲であり、ベルゼブブの領分である暴食に近いものがあるでしょう。
強欲でも暴食でもない。自分より持ってる者への並々ならぬ嫉妬も貴方の餓えを一時満たす為の燃料にしかならない。
貴方のその飢餓は、貴方が例え幼馴染みの彼を満足した形で打倒出来たとしても、きっと満たされることは無いと思うわ」




