「お疲れサタン」
「魔王、今日も頼む」
「良いよ」
朝食後、早速魔王と戦る為に声を掛ければ当然かのように了承を貰えた。
そのまま地下へと行けば、既にサタンとルシファーの2人が戦っていた。
2人はこちらへ気付くとサタンは攻撃を止めたが、ルシファーは構わずサタンを攻撃している。
というか、サタンへの攻撃を囮に俺や魔王に攻撃してくる。
魔王が左手を前に翳すそれだけで飛んでくる魔法は無くなり、ついでにルシファーの頭が無くなった。
「前のルシファーの方がまだ物分かりは良かったね」
「確かにあのルシファーはそもそも話が出来ねぇもんな」
「んー、今回のことは初めての試みだったから仕方ない部分も有るけど、こんなことならやっぱりクレンジングするんじゃなかったかな?確実に今回のルシファーは外れだ」
「正常にそのクレンジングをやらなかったって部分は関係してるのか?」
「関係有るか無いかで言えば有るには有るけど……、でもそれってパンを作る時に果物を混ぜるか混ぜないかみたいな話なんだよね。これまでというか、基本は混ぜる方針だった」
「結果的に目的の物は出来たけど美味いかより美味いかの差が出たってことか」
「そういうこと」
話している間にこちらへと近寄って来ていたサタンと、徐々に無くなった頭部が再生し始めたルシファー。サタンのカオを見れば今回のことはどちらが仕掛けたのか一目瞭然だった。
「お疲れサタン」
「うむ。……サースよ」
「なんだ?」
「あまり無茶をするなよ。お前は俺のような怒りの化身ではない。それ以上無茶をすれば燃え尽きるぞ」
「…………心に留めておこう」
「うむ……」
まぁ、気付く奴は気付くよな。
だからどうしたという感じだが。
サタンもそんな俺の思考を察したのか、それ以上言ってくることはなくなったが、彼なりに心配はしてくれたのだろう。もしくは楽しく戦れる相手が居なくなることへの口惜しさなんだろうが。
「サタン」
「なんだ」
「ありがとう」
「うむ……」
そんな会話が終わった直後、何事も無かったかのように目の前にルシファーが現れて、魔王に殴り掛かろうとしていた。




