▼side Another act2:ウィリアム・パリスの怒りⅤ
「落ち着けって。あー、じゃあ、どうすれば話を聞く気になる?」
「……お前の本当の目的を端的に話せ。そうじゃないと信じられない」
「目的は最初言ったみたいにお前が心配だったからってだけなんだが……、流石にわかるか」
ガラギスは大きく溜め息を吐いて脱力すると、観念したように本当の目的を話し始める。
「炎帝様がさ、幽閉されたじゃん。その炎帝様の幽閉場所を知ってるって言ったら信じるか?」
「ッ?!」
ガラギスの言った通り、炎帝は幽閉されていた。
理由は単純で、総帝のやり方に何度も物申したことで「お前は人類の敵だ」と拘束され、炎帝は何処かへ幽閉、その家族のウォイム・エンラジーなどは首都から追放されていた。
炎帝の幽閉場所は帝達しか知らず、それ以外の市民についてはむしろ幽閉なんかせず殺せという声が上がっているのが今の現状だった。
ウィリアム・パリスが驚いたのは、その帝しか知らない筈の炎帝の幽閉場所を知ってるというのは、つまり、
「帝になったのか?いつの間に?」
「な訳あるか。まぁ、幽閉されてる炎帝様の世話を誰がやってるかって話だよ。その世話係りにならないかって誘いをしに来たんだよ」
ウィリアム・パリスはそこから詳しく話を聞き、ガラギスの提案に乗るのだった。




