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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第十章:見切り
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▼side Another act1:超越した自我


 「(きょうは いつ ?


 あれから なんにち たった ?)」



 色も何も見えない自分も見えない場所で、フォルティスは着実に『自分』というものを壊されて行ってることを自覚しながら、それでも体の主導権を奪い返そうと奮闘していた。


 何も見えないが、外の音だけは聴こえてくる。

 それにより、フォルティスの体を乗っ取ったラズマリアがサースを人類の敵と断定し、彼と彼の親と彼が育った場所やそこに住んでる者達や彼の味方をしようとする者達を処刑するから連れてこいと命令する声が届く。


 サースの親とサースの育った場所やそこに住んでる者達というのはつまり、フォルティスの両親やフォルティスに良くしてくれた人達のことも入っている。



 「(きみは ぼくから たいせつな ひとたちまで うばうんだね)」



 家族を殺される。それを認知したからか、フォルティスは更に足掻こうと何も見えない中必死に自分の空間を手に入れようとする。


 しかし、結局最後にはラズマリアが現れ、フォルティスの胸へと手を突っ込み弄ることで邪魔をし、時間と余力だけが奪われていく。それを繰り返すだけで終わる。


 それでも彼は、足掻くことをやめなかった。



 「(ぼくたちの じんせいを めちゃくちゃに したんだ。


 ぜったいに むくいは うけてもらうよ)」



 喋ることも出来ず、動くことも出来ない。

 自分が今どういう状況かすらわかってない中で、魂すら残っておらず自我の強さだけで存続し続けているフォルティスは、今日もラズマリアから体を奪い返すために足掻き続ける。



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