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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第十章:見切り
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「名前と言い残すことは?」


 ヨトゥンマキアの本質に対しての感想は『自分が世の中で1番不幸だから何をしても許される』とか『自分が世の中1番強いから何をしても許される』とか、そういうことを本気で思ってる奴だ。


 口振り的に、恐らくダンジョンマスターになる前には相当辛い人生を送って来たんだろう。口調の強さも、冒険者の女特有のもので、そうやって威嚇することで身を守ってるのと同じだろう。

 そんな人生の中で死んだかそれに近い状態になって、推定その当時よりも強いダンジョンマスターの力を手に入れたから、自分は世界で1番強い存在になったとか、そういうことを考えたんだろう。


 抑圧され続けた奴が力を手に入れたら気がより大きくなるらしい。コイツはその典型なんだろう。


 ゆっくりと、本質への干渉も交えてゆっくりと首を掴む手に力を込めていく。


 苦しいんだろう、更に藻掻くが、肉体だけでなく本質まで掴んでいるから、肉体の方の手を離したところで俺から逃げることは出来ない。


 握る魔剣の剣先を、静かにヨトゥンマキアの心臓の上に沿えた。



 「名前と言い残すことは?」


 「コ…ロ……、ス……」


 「……さよならだ」



 ヨトゥンマキアの肉体の心臓には魔剣を突き刺し、ヨトゥンマキアの本質の心臓と首を握力で握り潰した。


 肉体にも本質にもトドメを刺した直後、1回大きくダンジョンが揺れた。

 そしてヨトゥンマキアの肉体とヨトゥンマキアの本質とヨトゥンマキアの入っていた巨体は光る砂となり消え去り、足許には拳大の宝玉と呼べそうな珠が1つ落ちていた。


 拾いあげると、何かが彫られているようで、確認すれば、魔王から習った文字の『嫉』と彫られていた。



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