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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第十章:見切り
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ヨトゥンマキアの中身


 首を掴んだと言っても物理的にではなく、あくまで本質の方だが、掴む俺の本質の腕を掴もうとして藻掻く姿は少し滑稽だった。互いに干渉する術を持たない限り自身を掴む腕を掴むなんて芸当出来ないからな。


 魔剣でヨトゥンマキアの本質全体が余裕で通れるほどの楕円形に巨体の肉を切り落とし、骨まで見えたところでヨトゥンマキアの本質を体から引き出した。

 それだけで直前まで起き上がろうと藻掻いていた巨体は活動を止め、本質を掴む腕と俺の腕が重なったことで、ようやくヨトゥンマキアの本質の姿を普段の視界で捉えることが出来るようになった。


 本質の姿のヨトゥンマキアは女だった。

 それも、幼さの残る俺より少し下ぐらいの年齢だろう。ただ顔はかなり中性的というかむしろ男性的だった。胸がそこそこ有って、股にブラ下がってなかったから女だと判断出来たが、本質の姿で女の特徴を確認していなければ性別の判断は出来なかっただろう。


 実体化したことで俺の腕を掴めるようになったヨトゥンマキアの中身は、それはもう口汚く唾を飛ばして俺を罵り始めた。



 「テメー!何の権利が有ってアタシの世界を潰しに来やがったこの短小野郎!!」


 「さっきまでの口調からは考えられないほどに俗的な口調だな。そっちの方が似合ってるぞ?」


 「テッメ、」

 「あと短小野郎と言ってくれたが、見たこと無いのにそう言えるって、お前は服の上からでも男のモノの大きさがわかるのか?とんだ淫乱なんだな」


 「コロスゥ!!」


 「語彙力が無いな。よく知る質の女のようで親近感が湧くな。何の権利が有ってだって?明らかに害となる奴を排除するのは人間の性だろ」


 「コロスコロスコロスコロスコロスゥゥ!!例え神や悪魔が許してもアタシは絶対に許さねぇ!!絶対アタシがテメーをこの手でコロスッ!!」


 「同じことばかり言うなよ。お前のこれまでがどんな背景かは知らないが、だからお前は今こうなってるんだと思うぞ」



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