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里到着
ブラファー夫妻の世界と俺による無視により、巨人族のクソガキ達は明らかに不機嫌になった。
俺達からすれば当然な訳だが、彼女達的には俺達の態度が相当気に喰わないらしい。何度も「あーあー、返事してくれないなら里に行くのやめよっかなー」とか「喋らないなら喋りたくなるようにしてあげるよ」とか言って俺を捕まえようとしてきたり、捕まえようとするその手を避ける際、何度毒液が滴るほど塗り込んだナイフでブッ刺してやろうか葛藤したり、行きはかなり気の落ち着くことがなかった。
俺が黙り込んでから少し、距離で言えばちょうど俺が黙り込むまでと同じぐらいの時間が掛かった頃に着いた。
やはりというか、色々と大きい。門もそうだがその奥に見える建物もとにかく大きかった。
門の横には彼女達をより大きくした明らかな大人の男が居た。ただ服装は、敢えて迂遠に言えば文化的とは言えない格好だった。
腰布だけで、まぁ、見たくないモノも見えた。
そんな彼に、彼女達は「ただいまー」と「お客さーん」と言った。




