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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第十章:見切り
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スケールの違い


 最初に俺達に気付いたのは大河に足を浸けていた、人族でいう俺ぐらいの女の奴だった。



 「ねぇ、出口の方からなんか来てるよ?」



 後ろに居る明らかな親と思われる奴等へ女はそう言った。

 その声は女ということを差し引いても低かった。

 そして女の言葉で俺達を視認した親と思わしき女共も一様に「あら珍しい」だの「子供達に狩りの経験を詰ませられるかしら」だの「最初は友好的に接して逃げられないようにしましょう」だの、俺達に聞こえていないとでも思っているのか、俺達からすればかなり邪な考えが簡単に聞いて取れた。


 流石に内容が内容だったため、俺達は一旦その場に留まった。場所としてはちょうど大河の中心、出入口側だ。



 「なんだあの失礼極まるデカブツは?我々を羽虫とでも思っているのか」



 ブラファーから静かな怒りが漏れた。

 アルメガも怒っているのか、黙って武器を取り出していた。


 それを見つつ、俺は俺でトラトトを出しながら考えを口にする。



 「奴等からすれば、俺達にとっての羽虫も同然だろうさ。根本的に大きさが違うんだ。それに種族も違う。物の考え方は簡単に変わるだろうさ」


 「それでもだな」


 「気持ちはわかるが、奴等の様子を見ろ。俺達に声が届いていないと思ってるみたいだぞ。

 そりゃそうだ、俺達にとっては大河だが、奴等からすればこの川も俺達基準のちょっとした橋を架けるぐらいの川なのかもしれない。

 そんな川の中心辺りに羽虫みたいな大きさの奴等が居るんだ、自分達の声がその羽虫に届くなんて考えもしないだろうさ」


 「……そういうものか」


 「少なくとも俺は、これまで様々な種族と関わってきて、そんな結論を出したな。


 奴等はわかりやすい方だと思うぞ。大きいというだけで、他は普通の人族と変わらなそうだ」


 「ならば何も言うまい。アルメガもそれで良いな」


 「ご随意に」



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