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セルフマインドコントロール
「サース殿、気分が悪そうだがどうかされたか?」
少しその場で軽く頭を抱えたからか、ブラファーが心配してか声を掛けてくれた。が、そんなことで眩暈が治まる筈も無かったが、「大丈夫だ」「ありがとう」とだけ返して、意識を切り換えることで眩暈を誤魔化すことにした。
推定俺達の世界よりも更に広いもう1つの世界を俺達の足で歩いて回らないとならないと考えれば、確かに気が遠くなりそうだ。
だが幸い、目の前にはこの世界の住人だろう奴等が居る。それも十中八九目的の巨人族の奴等がだ。なら、彼等に接触すれば話は楽に進みそうだ。
そう考えると、ドワーフ達の時よりも楽かもしれない。
そう意識を切り換え、早速遠くに見える巨人族達の許へ、ブラファー達に目配せをしてから宙を駈けることで移動した。




