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大山ダンジョン到着
いくつかの言葉を交わして、大山ダンジョンへと向かう。
途中、何度も何処へ向かうか聞かれたが、敢えて伏せて移動を続けた。
スァールァドゥークは会って自分で感じてみないとどう形容していいかわからない難しい相手だ。先に余分な情報を与えず、初めてのスァールァドゥークと対面させた方が、ブラファー達にもスァールァドゥークにも良いと思ったから伏せた。
ドルドルン達の住んでいた山からスァールァドゥークの居る大山ダンジョンへは、普通に歩いて行けば数ヵ月は掛かるだろう距離が有る。空を進んだとしても多少の時間は掛かり、結局夜を3回も明かした。その間ブラファー夫妻については、本人達の宣言通り一緒に寝ていた。
ただ、本当に落ち込んでいたようで、普段の俺を無視した2人の空間が形成されることはなく、とても静かなものだった。
そんなこれまでの移動の中で1番過ごしやすい移動を終えて大山ダンジョンに着くと、珍しくダンジョンの入口にスァールァドゥークの姿が在った。




