ドワーフ族の……Ⅱ
「なぁ!いつまで続けるか知らないが話し良いか?!」
あまりにも終わりが見えない混沌とした場に終止符を打つべく、ドワーフの2人の間に入り込んで2人の距離を物理的に拡げた。
「んだテメー何モンだァ!?邪魔すんじゃねぇよ余所モンがァ!!」
「そうだぞ毛無し!邪魔すんじゃねぇよ!」
「言い合いしたいなら好きにしてくれて良いが、待たされる俺の身にもなってもらいたい。俺にも時間が有る。話を聞かないならこのまま帰っても良いが、どうする?」
「おう帰れ帰れ!儂はテメーを招き入れた記憶は無ぇから文句有るなら帰れ帰れ!!」
「…………話を聞かないならこのダンジョンを潰すことも考えてると言っても、同じこと言えるか?」
俺がダンジョンの話題を出した途端、爺と呼ばれたドワーフの顔から表情が抜け落ちた。
直前まで怒り一色といったカオだったのに、今では怖いほどの無表情だ。
「おいガキ。自分が何ナマ言ってるか理解してんのか」
「少なくとも俺はこの世界の理外の存在側の人間だ。その理外のことについて用事が有るから話を聞いてほしいと来たんだ」
「それと儂の世界を壊すことがどう関係してる」
「それも用件に関わってくる。話を聞いてくれる気になったか?」
ドワーフは無表情のまま俺をしばらく見つめたあと踵を返し、「着いて来い」と言って奥へと入って行った。
ブラファー夫妻の方を一瞥するが、まぁ放置で良いだろう。
さて、ようやく本題だ。




