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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第十章:見切り
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ドワーフ族の特徴


 「久しいなウリュー殿」


 「あぁん?…………あぁ、ブラファーの兄さんか!久しいな!いつぶりだ?」


 「前に飲んだ時だからちょうど季節が1つ前の時だったと記憶している」


 「あー、悪ィな、外のことはよくわかんねぇんだ。だからそれがどれだけの時だかわからねぇ」


 「そうか。ならば宴会を100回前後やったと言えば伝わるか?」


 「おぉー!それならわかるぞ!宴会100回か!そりゃあ久し振りだなぁ!」



 会話の流れから、彼がドワーフ族なことは確定なのだろう。

 それにしても、今の会話からもわかるが、どうやらドワーフ族達に1日の感覚を伝えるのは少し難しいらしい。

 宴会ということは酒を飲むのが好きなんだろう。そして文脈的に、彼等の1日の締めは宴会で飲み明かすことなんだろう。もし今後ドワーフ族に日について話す時が有ればそれで説明しよう。


 既に違う文化を知るのが楽しいため、早くその文化に触れたいが、今は旧友を温めているブラファーに紹介されるのを待とう。



 その後も2人は楽しそうに奥へと進みながら話し合ったあと、一段落着いたのかウリューと呼ばれたドワーフが歩きながらこちらを振り返った。



 「でぇー?片方はたぶんブラファーの兄さんの上さんだってーのはわかるが、そこの毛の無い縦長はなんだ?」


 「彼は人族と呼ばれている種族の私達と同じ人間だ。名前はサース殿。今回私達がこちらへ赴いたのは彼の意向だ」


 「ふぅーん?でぇ?アンちゃんは挨拶も無しかい?」


 「アンタ等が話し続けてる邪魔をする訳にはいかないだろ?だから黙っていたんだ。


 ブラファーから紹介された通り、人族のサース・ハザードだ。ドワーフ族については全く知らないから、何か粗相をしたら都度指摘してアンタ等の文化を教えてほしい。ついでに仲良くしてくれるとありがたい」


 「……なぁブラファー、つまりコイツは何が言いてぇんだ?」



 ブラファーが苦笑いを浮かべる。

 続くように、ブラファーの苦笑いでどういう事かを察して俺も苦笑いをしていることだろう。


 いきなり文化の違いで普通の自己紹介すらも通じないとは流石に思わなかった。

 これは最初からブラファーに頼っておいて正解だったかもしれない。



 「彼はウリュー殿達のことを知らないから、ウリュー殿達が何に腹を立てるのかもわからない。だからもし何か怒らせるようなことをしたら、何故怒ったのか、ウリュー殿達にとって何が譲れないのかをその度に教えてほしいとの事だ。


 彼はウリュー殿達と仲良くしたいらしい」


 「なんでぇ、そんなことか!おう気にすんな毛無し、毛も生えてねぇガキに怒るほど俺達ゃ心狭くねぇ!」



 もう1つ苦笑いを浮かべ、「よろしく」と返す。

 俺が言ったこともブラファーが言ったことも全く同じ意味だったが、どうやら彼には要領を得なかったらしい。


 ブラファーの訳し方を聞けば、何故俺の話が通じなかったのかも理解出来る。

 要するに彼等は真っ直ぐに1つ1つの物事を説明すれば理解出来るが、言葉に複数の意味を持たせるような言い方は上手く伝わらない。

 あの感じは恐らく、理解出来る頭を持ってるが、本人の気質なのか種族的な気質なのか、理解出来る頭を持っていても複雑な話は理解する気が無いんだろう。


 話は目的を1つ1つ明確に、真っ直ぐに。

 ドワーフ族との交渉は、もしかしたら時間が掛かりそうだ。



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