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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第十章:見切り
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竜人族の移住:転移


 昼。外に出ていた竜人族達が帰ってきて、魔界に行く組は早々に広場へと出てきて中心辺りで固まり、行かない組は行く組を囲むように円を作る。


 そんな中ブラファーは奥さんであるアルメガに抱えられ、竜人族での俺と同じぐらいの若い奴等が2本の槍を抱えて村長宅から出てきた。

 しかしその姿は朝に見たものとは明らかに違っており、竜人族の強い個体に生えるらしい両翼と四肢が無く、どういう意味か察して目を伏せた。



 「シヴ、ヴィヌ、前へ」



 ブラファーの言葉に名前を呼ばれた2人がブラファーの前に来て跪く。シヴと呼ばれた方は魔界に行く組から、ヴィヌと呼ばれた方は行かない組から。



 「シヴ、向こうに行っても皆をよろしく頼む」


 「当然でございます長よ」


 「ヴィヌ、残る皆をよろしく頼む」


 「……私には荷が重おございますが、お役目しかと承りました」



 2人に槍が下賜された。

 受け取った槍を携え立ち上がる。その姿を見たブラファーはとても柔らかい笑みを浮かべたあとこちらを見た。



 「サースよ、皆の準備が済んだ。どうするかは存じぬが頼めるか。別れを惜しめばそれだけ離れられなくなるだろうからな」


 「……後で話が有る。良いな?」


 「当然だとも」


 「じゃあ魔界に行くことにした奴等は俺の周りに集まってくれ」



 魔力を練り上げ右の中指に嵌まる指輪へ魔力を送り続ける。


 全員が俺の周りに集まったところで転移の術式を思い浮かべ、彼等を覆うように足元に魔法陣を闇属性の魔力で展開する。

 一部書き換え、展開した魔法陣へ闇属性の魔力を送り続け、転移で飛ばす人数を十分安全に送り届けられるだけの魔力を送り終えて、最後の言葉を紡ぐ前に彼等に、シヴと呼ばれた彼を見ながら必要な情報を伝える。



 「送る先は魔王の城の中庭だ。そこでメイド服を着た奴が居たらソイツに声を掛けろ。俺の名前を出せばそれだけで伝わる」


 「サース殿、この度は忝ない」


 「……まぁ、俺は俺の仕事をしただけだから気にすんな。じゃあアンタとはまた今度な。"転移"」



 こうして竜人族の半分がこの世界から離脱した。



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