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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第九章:人類の敵
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▼side Another act2:『 』Ⅱ


 扉の奥、そこは白一色の世界だった。輪郭という概念も無く、影という概念も無い。パソコンのペイント機能を起動した直後の真っ白な画面のような場所、それが天界の最奥だった。


 その先にそれは在った。

 形は無い。輪郭も無い。影も無い。まず以て視認という行為そのものが出来ない。


 しかしそれはそこに在った。

 それこそが、便宜上は天界の王であり、俗に言う『 』だった。



 「ご無沙汰しております、我等が創造主よ」



 魔王は『 』の前まで移動し跪き頭を垂れるとそう挨拶した。



 「『やっほー、元気にしてた?』」



 『 』はとても軽い調子で魔王にそう返した。

 『 』との意志疎通の方法は2択だ。『 』からの念話か、サースがイギライアと邂逅した時のように空中に魔力で双方がわかる言語を並べることだ。

 今回は念話の方で、だからこそよりその声色の軽快さが際立つ。



 「ご覧の通り、人界に潜伏していた愚妹が暴走した結果このような有り様になりました。表面上の回復は叶いましたが、根本的な傷は破壊されたままにございます」


 「『ラズマリアちゃんかー。あのメンヘラちゃんねー。悪い子じゃないんだけど、メンヘラ故の周囲へのヒステリックが酷い子だよねー』」


 「返す言葉もございません」


 「『それでー?今回ここに来たのはアレかな?君の再生の為かな?』」


 「再生もそうなのですが、それよりも今回は許可を頂きたく罷り越しました」


 「『再生ね。君は本当によく頑張ってくれてるからね、もう治したよ。で、許可だっけ?何の許可が欲しいんだい?』」



 下を向く魔王の額から汗が落ちる。

 魔王をして、『 』と相対することやその力を奮われるのは寿命を縮めるようなことなのだ。


 口内に水を生成して飲み水とし、それを飲み干すことで咽を潤し、一呼吸置いたあと続きを話す。



 「愚妹の完全消去についてでございます」




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