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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第九章:人類の敵
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▼side Another act1:ウィリアム・パリスの決断Ⅴ


 ウィリアム・パリスが思考の海に浸かって2人の戦いから意識が逸れている間に、水球に閉じ籠ったサースがトラトトを投擲し、それがフォルティスの胴体を貫く。


 流石に決着と言えるその光景はウィリアム・パリスもしっかりと観測し、観測したが故にサースに話を聞こうと、聞く内容を纏める為にまた頭を使う。


 彼がそうしている間に状況は動く。

 フォルティスがサースと何か鬼気迫る様子で会話をしたかと思うと、髪の毛を茶髪から金髪に明滅したかと思うと「このっ、石頭のわからず屋がァァ!!」という喚叫がこの場所全体へと轟く。


 そこからの変化は目まぐるしいものだった。


 上で待機していた筈の白と黒の男がサースの前へと躍り出て、様子のおかしくなったフォルティスの一挙手一投足を全て封じ込み、ウィリアム・パリスや帝達を含む全ての人間が学園の講堂へと飛ばされた。


 その時にサースが帝達に放った「大事な部分はソコか?」という話が聴こえていた訳ではないが、フォルティスの髪が明滅し始めた頃にはウィリアム・パリスの意識はサースへと固定されていた。


 ウィリアム・パリスにとってサース・ハザードは不倶戴天の大敵だ。しかし、だからこそ、泣きそうな、そんな見たこと無いカオに目が離せなくなった。


 サースの説得という名の演説のような問答が始まる。

 サースは理性的にしているが、そもそも土帝含めこの場に居るほとんどがサースを人類の敵と認識し始めていることを肌で感じ取っていウィリアム・パリスは、サースから目が離せないからこそそのカオが泣きそうだったものから徐々に表情が抜け落ち、無表情すらも通り越した『無』へと到るまでの過程を鮮明に見ることが出来た。


 だからこそ、彼が今その胸の内に抱いているであろう感情を敏感に感じ取れて、何故かその事に焦りを覚えるウィリアム・パリスだった。



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